第131話

118 knocks
170
2026/03/19 00:00 更新
「あなた!」



「ぁ……ドンヒョン……リウ先輩も。お疲れさまです。ステージ、すごくかっこよかったです。」



「ありがと〜。頑張った甲斐があるよ!」



ステージ衣装の上着を脱いで、すっかりくつろいだ様子の二人が、後ろから水を持ってやってきた



「あなた、僕のダンス見てた? どうだった? 頑張ったでしょ?」



「うん。すごかったよ。普段のドンヒョンと全然雰囲気が違って、びっくりした。」



「へへへ。」



ドンヒョンは照れたようにふにゃりと笑うと、それを誤魔化すように手にしていたペットボトルの蓋を開けた



「あ、あなた! ウナガたちも!」



話し声でこちらに気づいたのか、ジェヒョンが大きく手を振った



「お疲れさま、ジェヒョン。」



「見に来てくれてたよね。どうだった? ステージの俺、かっこよかったでしょ!」



「…うーん……まぁまぁかな。」



「えぇ!? ひどくない、あなた!?」



なんだろう



さっきまでは、素直に「かっこよかった」「お疲れさま」って言うつもりでいたのに



「?」



「も〜。俺、結構かっこよかったと思うけどなぁ。」



「ジェヒョン先輩、かっこよかったです!!」



「ありがと〜。あ、そうだ。あなた、この子ダンスサークルのマネージャー。」



「初めまして、パク・ソアです。」



「……はじめまして。」



「ごめんね、ソア。あなたはそっけなく見えるかもだけど、人見知りなだけだから。」



「いえ、私は全然……。」



「離して、ジェヒョン。」



「えぇ〜。どうしたの、あなた。今日なんか変だよ。」



ジェヒョンはそう言いながら、私の顔を覗き込んできた



私もそう思う



なんだか、ここは居心地が悪い



「……ごめん。私、行かないと。呼ばれてるの、忘れてた。」



時計がちょうど13:45を指しているのを見て、思い出したようにそう告げると、肩を組んできていたジェヒョンの腕からそっと離れた



「え、ちょっと、あなた!?」



「呼ばれてるって……ヌナ、何か出るんですか?」



「あなたが? そんなはず……あ。」




「そういえば、皇さんになんか言われてたよね。」



「んー。あなたちゃん、目立つのとかあんまり好きそうじゃないけど、大丈夫なのかな……。」



「よく分からないですけど、僕らも早く観客席に戻りましょう!」



「あの! ジェヒョン先輩!」



「何?」



「その前に、少しだけお話いいですか?」



ソアは長い黒髪の毛先を恥ずかしそうに弄りながら、俯いたままそう言った



ジェヒョンは少し迷うように視線を彷徨わせてから、



「……少しなら。」



と答えた



するとソアは、ぱっと嬉しそうに笑った



「ごめん、先に行ってて。すぐ行くから。」



「はいはいー。」

プリ小説オーディオドラマ