第2話

一夜
90
2026/01/24 01:14 更新




__この学校にはとある七不思議が存在する。







_

キーンコーンカーンコーン……
と教室にチャイムが鳴る。

その音に一斉に生徒達が席から立ち上がり昼食の準備をし始める




モブ
なあ、空渡!
空渡そらわたり らだお
…ん?どうした?
その中で1人の生徒が、席に座りあくびをかいている青い生徒に話しかける
モブ
昼、暇?一緒に弁当食わね?
空渡そらわたり らだお
あー今日、俺弁当持ってないんだよね
モブ
そうなん?
モブ
あ、じゃあ購買で買ってくる?
空渡そらわたり らだお
うん そうする…
モブ
それなら俺着いてこっか?
空渡そらわたり らだお
いやいいよ、それぐらい自分で行く!
モブ
あ そう?

青い生徒が席からゆったりと立つと、ガラッと扉を開ける、廊下に出て購買に向かう
モブ
いってらー!




_

廊下に出ると生徒の飛び交う会話と笑い声が聞こえる
空渡そらわたり らだお
(さっきの国語の授業ガチ眠かった…)
空渡そらわたり らだお
(でも意外と授業終わると眠気覚めんのなんでだろ…)


長い廊下で放送が流れ始める、放送部の聞き慣れた声が
お昼時と意識させる
 ︎︎
えー、今日のオススメの購買メニューは……
 ︎︎
あ!今日は焼きそばパンが売ってるそうですー!
空渡そらわたり らだお
(焼きそばパン…もう売り切れてそう)
 ︎︎
部活のスポーツマン達が血眼になって狙ってることでしょうー
 ︎︎
まあぜひ頑張ってくださいー(棒)
空渡そらわたり らだお
(棒読みすぎん??)





しばらく歩くと人が荒波のように購買で賑わっている様子が伺える
空渡そらわたり らだお
うわっ!焼きそばパンの効力ヤバっ…
空渡そらわたり らだお
俺は大人しく別の選びますけどね。

集まっている人混みを掻い潜って商品の前まで着く
空渡そらわたり らだお
キッツイキッツイ…
空渡そらわたり らだお
ふぅ、やっとついたぁ…


予想通り焼きそばパンは全部無くなっているので別のパンを選ぼうと考えると

奥の方から部活の部員らしき会話が耳に入る
天王寺 京一郎
すいません!バスケ部の人っすよね?
雲戸くもど 令羽れう
えっ?生徒会の人か…一応そうです!
天王寺 京一郎
これ、部長の人に渡してもらっていいっすか?どこにもおらんくって…
雲戸くもど 令羽れう
了解です…!分かりました!


一連の流れを聞いた後、ぼーっとしていた事に気づく
空渡そらわたり らだお
(部活の人か、)
空渡そらわたり らだお
(てか相変わらず耳いいな俺…衰えちゃいねぇな)

盗み聞きしたことには自身で触れないようにしつつ、パンに視線を戻す
空渡そらわたり らだお
うーん、メロンパンにあんぱんに、コロッケパン…
空渡そらわたり らだお
……コロッケパンかな!
ラスト一個のコロッケパンに手を伸ばした途端、視界の右端から白い手が自分の手に当たる

空渡そらわたり らだお
あっ
色澤しきざわ
あ。

空渡そらわたり らだお
…あー、どうぞ?
色澤しきざわ
えっ、いいんですか…??
ふと手の当たってしまった相手を見ると、制服のネクタイが緑色である。
空渡そらわたり らだお
(緑…一年か。)
この学校は学年ごとに色が違い、現に二年の自分は青色のネクタイだ
空渡そらわたり らだお
いいっすよ!俺、二年なんで
色澤しきざわ
関係、あります…?
空渡そらわたり らだお
それより!お目が高い、それ美味いですよ!!
色澤しきざわ
…そうなんですか?
空渡そらわたり らだお
ぜひ食べてみてくださいよ!布教したいんで。
空渡そらわたり らだお
それじゃっ!

コロッケパンを持って一年生の子の手に置くと、メロンパンを持って会計に行く
空渡そらわたり らだお
おばちゃーん!これくださーい!



色澤しきざわ
……。






キーンコーンカーンコーン…
帰りのホームルームが終わる音が鳴り、号令を終える
空渡そらわたり らだお
えっと、この後は…
空渡そらわたり らだお
そうだテニス部の練習やんけ…!!
空渡そらわたり らだお
(忘れてた…帰れると思ってた)

空渡そらわたり らだお
あ、なら倉庫の鍵もらわないと。

カバンを持って早足で職員室へ鍵を貰いに行く

廊下を通ると2人組の女子とすれ違う
女子
…ねえ知ってる?
女子
この学校だけの七不思議の一つ。

空渡そらわたり らだお
(どうしよ、他の奴らがもう貰ってたら)

女子
この学校には裏世界があってそこに閉じ込められた人は……




女子
……その学校の一部になっちゃうの。

空渡そらわたり らだお
…?

一瞬の違和感に耳がぴくっと動く
空渡そらわたり らだお
空渡そらわたり らだお
…気のせいか?
立ち止まった足をもう一度動かし、職員室へ行く

職員室に入った後、ちょっと経つと鍵を持ってまた扉から出てくる


空渡そらわたり らだお
はーい、鍵ゲット!

まだ誰も鍵を貰ってなかったことが分かって安心しつつ部員を待たせないようテニスコートに走っていく。






_


テニスコートに着くが意外に他の部員は見当たらない。

その事に少し不思議に思うが「そんなこともあるか」と切り替える
空渡そらわたり らだお
(珍しくみんな遅いな?)
空渡そらわたり らだお
(でも一番ってなるとちょっと嬉しいかも)

そんなことを思いながら倉庫の鍵穴に鍵を挿し、軽く捻る
空渡そらわたり らだお
(そうだなボールの空気確認して、無かったら空気入れようかな…)

倉庫の扉を開けようとするが…錆からなのかつっかえて上手く開かない
空渡そらわたり らだお
うっ…固っ!?
空渡そらわたり らだお
そんなオンボロだったっけな…?


力を込めてグッとこじ開ける

空渡そらわたり らだお
……ふんッ!!

ガラッ




力を込めるとつっかえていた扉はすんなりと開き、逆に勢いが余って強く音を立てて開いてしまう。












ビックリして顔をあげると、倉庫には


人間の目玉がついた泥のようなものがこちらをギョロリと睨みつけていた。






……生き物が詰め込まれている。
そう思った。
空渡そらわたり らだお
………えっ



小さい倉庫から壊れそうな音が鳴りながら謎の液体を
滴らせると扉の裏側から手のような何かが
こちらに伸びる
空渡そらわたり らだお
(はっ?ちょ、待っ)







バキッ























……キーンコーンカーンコーン
空渡そらわたり らだお
あれ…?
ゆっくりと目を覚ます。
次々とクラスのみんなが教室から出ていく姿をぼやけた視界で理解する
空渡そらわたり らだお
(…ホームルーム?)
空渡そらわたり らだお
てか、俺…
机に突っ伏していたことに気づくと目の前に人影が現れる
モブ
空渡〜!
空渡そらわたり らだお
え…?
モブ
…どしたん?呆けた顔して?
モブ
予定ないなら一緒に帰らん?
空渡そらわたり らだお
…うん。分かった
空渡そらわたり らだお
一緒帰る…?
モブ
てか寝てたろ、お前
空渡そらわたり らだお
あぁ、うんちょっとだけ…
モブ
昼も眠そうだったもんね(笑)
空渡そらわたり らだお
(なんか落ち着かない)
モブ
…あのさ、意外だったんだよね。お前が好かれるタイプだってこと
空渡そらわたり らだお
え、なにが?
モブ
人にってこと!!
空渡そらわたり らだお
(人に好かれる…?俺が?)
突然吹っかけられた話題に治まらないざわつきを持ちつつも、普段通りでいようとする
モブ
…人にってよりかは、







…するとそいつの顔は、顔の区別がつかないほど虫食いのような大きな穴がまだらにあいている








モ¿? ォ 縺�
生霊俺ら
空渡そらわたり らだお
!!?
空渡そらわたり らだお
ッうわぁあッ!!

身の毛がよだつ感覚におもわず情けない声が出る。

反射的に席から身を投げ出す勢いで席を倒し、
床に尻もちをつく




空渡そらわたり らだお
痛っ…!

尻もちをついた途端に辺りが一気に暗くなる、なにが起こったかと自分の席の方を見上げる
空渡そらわたり らだお
は、あっ??
空渡そらわたり らだお
え、あいついなくなって…!?
自分の席にいたはずのあいつはいなくなっており、ガランと誰もいない教室になる
空渡そらわたり らだお
(いやそれどころじゃない)
空渡そらわたり らだお
なんで夜になってんだ?!
空渡そらわたり らだお
さっきまで昼だったのに…??

そこまで長居した記憶もないのに辺りは深夜ぐらいに
暗くなっている
空渡そらわたり らだお
(そうだ俺…さっき倉庫でも)



息を整えてこれまであったことを振り返っていると背後のロッカーから微かに音が零れる
空渡そらわたり らだお
はいッ!!?
空渡そらわたり らだお
(ロッカーから…?)
空渡そらわたり らだお
(触れないほうがいいか?)
空渡そらわたり らだお
いやー…でも…


渋々ロッカーの前まで来ると取手に指をかける
空渡そらわたり らだお
(やべぇ奴がいたら逃げる)
空渡そらわたり らだお
(てか開けたら逃げる)

覚悟を決めると一気にロッカーを開ける







天王寺 京一郎
ヒャァアアアアアアア゙ア゙!!!!?
空渡そらわたり らだお
イヤぁああああ"?!!!




空渡そらわたり らだお
…え 誰?


__二夜へつづく。

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