そう言われて俺はキヨくんの方を見る
彼がそう唱えると「ゴゴゴ」とあり得ない音を発する
彼が手を上に上げると地面から炎の竜巻が学校くらいの大きさで現れ、地面や周りのものを全て破壊し尽くす
俺はキヨくんに近づいて話しかけにいく
キヨくんは目を瞑りしばらく経つと竜巻は消える
キヨくんは少し怒りながら俺の方を見ている
これが彼の能力“炎”だ
この能力はうるさくて元気いっぱいな彼に合っていると俺は思っている
今は実技の授業中
S.A.Bランクと合同で行っている
すると若干大きな声で先生が現れる
この先生は怖い事で有名
俺達も説教されてしまうのかと少しヒヤヒヤした
だが、その正体は変装したレトさんだった
マフラー越しでもわかる悪い笑み
驚きと怒りをほんのりキヨくんの方から感じた
それくらいレトさんの能力は凄い
レトさんの能力“道化師”
彼は何にだって化けることができる
そして、化けた人の能力を使える
その代わり色々デメリットも多いがとても便利ではある
_ふと辺りが少し騒がしいと感じる
それはきっと俺の方に来た“攻撃技”のせいだろう
俺はその事をすぐに察して能力を使用する
“攻撃技”は水だったようで俺の能力によって反射して何処か遠くへ消えていく
みんなに褒められてちょっと良い気分になる
昔はこんな事なかった
けど、この場にうっしーは居なかった
なんだか寂しく、悲しく感じた
_2人も同じ考えだったようだ
先生にバレないようにコソコソとする
しかし、田倉くんにはバレたようだ
でも俺らは知っている
意外と田倉くんはこういうノリに良いってことを
田倉くんは、うっしーと仲良しだってことを
レトさんが田倉くんに聞く
だが、返答は予想外のものだった
_俺らはその言葉に、衝撃を受けた
「ただの噂」だと思っていよう
だが、その後もこの噂が心の中に残り続けた
教室の中
1人で椅子に座りノートを開いたまま机に突っ伏す
授業が始まって20分
一向に先生が来る様子がない
やはり「最低ランク」だからなのだろうか
この教室に来る時も鋭い目で見られた
この学園の者達は賢いため、いじめなどそんな事はしないと思う
だが先生達がこうでは、いつ俺やこの先入ってくる後輩に火の粉が降り注ぐかわからない
轟音が耳元に辿り着き、頭の中を揺らす
ふと窓の外を見るとグラウンドでキヨが“ファイアトルネード”を放っていた
そんないつもの事を考えるが実現する事はもう無いかもしれない
3人が和気藹々とお喋りをする
そんな光景が羨ましくて、混ざりたくて仕方がない
俺がEランクなのはやはり学力とかで問題があったからだと思う
俺は中断していた勉強を再開する
少し広めの教室で、シャーペンと紙が擦れる事が鳴っている












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!