第49話

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320
2025/12/24 16:00 更新
あなた
うわさっむ


思わず呟きと白く染まった息が出る。
Knmc
カイロありますよ
Knmc
はいこれ
あなた
ありがと⋯。


お礼を言って、手の中に包み込む。

すると、じんわりと暖かさが伝わってきた。



びゅうっと、強い風が吹き、

晒された顔や素肌に冷たさが突き刺さる。

思わず、隣の剣持の方に寄ってしまう。

見たら、剣持も寒そうに

体を縮こまらせている。
あなた
ちょ、早く行こ
Knmc
そうしますか⋯。


剣持の腕を引いて、早足で歩き出す。

幸いなことに、

美羽のバイト先は学校の近く。


歩き出してすぐ着いた。
あなた
ここ⋯だよね?
Knmc
多分そうですね⋯。


剣持が扉を開けてくれた。

お礼を言って、中に入ると暖かさが伝わってくる。


店内は男女でいっぱいだった。

幸せ、というオーラが直に伝わる。
美羽
いらっしゃいませー!!!
美羽
こちらのお席へどうぞ!!!


美羽がいた。



バイト先だから当たり前だけれど、

働いている親友は見るのは初めてで、

少し新鮮。
美羽
メニューこちらになります~!
美羽
ごゆっくりどうぞ!


メニューを置いて、行ってしまった。

席は、剣持と向かいあわせ。


ブレザーを脱いで、席にかけておく。


Knmc
⋯⋯。
あなた
⋯⋯⋯⋯。


店内がカップルだらけだからか、

向かいに座る剣持と目が合わせられない。



何故か緊張して、
意味もなくメニューをめくってしまう。
あなた
け、剣持は決まった?
Knmc
僕はホットカフェラテと
スモアチョコレートにしま、す
Knmc
あなたは?
あなた
私はホットチョコレートと
抹茶パフェで⋯


ぎごちない会話に、

思わずクスリと笑い声が溢れる。


剣持は少し恥ずかしそうにしつつ、

俯いていた。



会話が盛り上がってしまい、

気が付けば2時間も店内にいた。

あんなにいたカップルも、もう居なくなっている。
あなた
そろそろ行く?
Knmc
そうしますか⋯。
Knmc
僕払いますよ
あなた
えいいの?
Knmc
勿論⋯笑
あなた
じゃあお言葉に甘えて⋯

__



財布を出そうとしたけれど、

結局使わず仕舞ってしまった。


せめて邪魔にならないようにと、店外へ行き、

とあるものを買いに別の場所へ入る。





チラッと剣持の方を見てみると

美羽と楽しそうに、というか

美羽が楽しそうに剣持と話していた。
あなた
⋯⋯⋯⋯。

2人の方を見ると、何故か胸がモヤッとした。

その分からない感情を

無理矢理振り払い、目的のものを買って外に出る。



店から出てきた剣持と合流する。
Knmc
お待たせしました⋯
あなた
いやいや全然、むしろありがと
Knmc
⋯⋯折角ですし
イルミネーションでも見ます?
あなた
そうしよっか



2人で少し歩き、駅の近くへ向かう。


イルミネーションが見えてくるのと比例して、

カップルも増えていた。

その手にはプレゼントの包み紙を持って。


あなた
わ、綺麗⋯!
Knmc
そうですね⋯


もっと近くで見ようと、

クリスマスツリーの近くに寄ってみる。


辺り一面を照らす光に、思わず見とれてしまう。

隠し持った袋ががさりと音を立てる。
あなた
あそうだ剣持、これ⋯。


その音を聞いて思い出し、

鞄から包み紙を出し、

手に持っていた物と共に渡す。


中身は___

Knmc
肉まんとマカロン?
あなた
ちょっと冷えてるけど⋯。


肉まんの方は先程買ったもので、

マカロンは昨日作っておいたもの。

あなた
今日のお礼と気持ちを込めて⋯?
Knmc
ありがとうございます⋯。
Knmc
僕からもこれを。



剣持が差し出してきたのは、少し大きめの紙袋。


開けるように促されたので、

礼を言って、

包装を壊さないように慎重に開ける。



中に入っていたのは、

白い、モコモコのマフラー。



早速巻いてみると、

イルミネーションに負けない輝きを放っている。
Knmc
安物ですけど⋯。
あなた
ありがと、大切にする
Knmc
風邪をひくと大変ですし、
ここで解散しましょうか
あなた
そだね
あなた
ほんとにありがと!


気恥ずかしさからか、

ぶっきらぼうな口調になってしまった。




しかし、別れる際。

自分でも驚くくらいの大きな声が出てしまう。

剣持と手を振り、別れる。


歩き出しても、右側には

剣持の感覚が残っている気がした。

𝙼𝚎𝚛𝚛𝚢 𝙲𝚑𝚛𝚒𝚜𝚝𝚖𝚊𝚜.




















マカロン:特別な人
マフラー:貴方に首ったけ

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