時は流れて4時間目。
カッカッとチョークが黒板を滑る音とシャーペンで紙にカリカリと書き込む音がする
…はずでした。
殆どの生徒が後ろで雑談を広げたり、スマホを堂々といじったり、チョークの音がまるで耳に入らない。
普通に聞こえる声で言ったつもりだが、彼らの声に圧倒され自分でも声が小さく聞こえる程だった。流石にうるさいと思い一喝する。
舌打ちまでも大きい彼は面倒くさそうに立ち上がりチョークを手に取ればガッガッと黒板が削れるんじゃないかという勢いで書き殴っている。
書き終わり役目を終えた彼はスタスタと急ぎ足で席に戻る。シャオロン君が黒板を指さし笑っている。
何を書いたのか、私も気になり振り返る。
_∧∧∧∧_
<_バーカ_>
Y^Y^Y
あまりの幼稚な落書きに何も言葉が出てこなかった。
薄い茶髪に茶色いカーディガンを着たエーミール君が場を落ち着かせたと思えば此方を煽るように話している。真面目に授業を聞いてくれていた彼はまともかと思ったが彼らとつるんでいる時点で間違っていたようだ。
突然、緑色のパーカーを着た彼、ゾムくんが立ち上がり堂々とした立ち振る舞いで教室から出ていく。慌てて私も後を追い廊下で彼を呼び止める
彼がそう此方を振り向いて私に告げると、至る所に置かれた放送機からチャイムの鐘が鳴り響く。
廊下で予想できない彼らの行動に思わず立ちつくしていれば後ろから2年6組の担任で先輩の兄さん先生に話しかけられる。
このクラスの担任は少し面白いです
でも、これは長い戦いになりそうです(笑)
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。