第69話

  少女はずっと待っている
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2023/11/23 11:39 更新
エフェクト
…ねぇ、
セム
なんだよ。
エフェクト
私さぁ、死に方おかしかったよね?
セム
そうか?
エフェクト
とぼけたって無駄なんだよ。
セム
…………
セム
実はさぁ、
セム
空気穴治していたときに、
セム
私、黒い液体だらけになったじゃん?
セム
あれさぁ、
セム
「子供大虐殺の日」の副産物。
セム
「黒い雨」だったんだよね。
エフェクト
………もう一回言って。
セム
「黒い雨」だったんだよね。
エフェクト
…まじ?
セム
まじだよ。
エフェクト
だから、私はあんなに苦しんで死んだの?
セム
そうだよ。
エフェクト
……はぁぁ、
エフェクトが大きなため息をつく。
エフェクト
………まぁ、いっか。
エフェクト
そろそろ私も優しいに疲れてたし、
セム
……そんなに優しいは大事か?
エフェクト
大事だよ。
エフェクト
優しくなきゃ、私は呪言を持って生まれた子供。
エフェクト
ただの「ずるいやつ」になるんだよ。
エフェクト
だから、私には「優しい」が必要なの。
セム
………私とは反対だな。
エフェクト
は?
セム
私は優しいを捨てた。
セム
私は優しいを捨てて、誰にも優しくせず、ひとりで戦って、
セム
神級になった。
セムが青空に手をかざす。
セム
だけど、いろんなものを捨てた私に「優しい」も何も、残らなかったよ。
セム
だから、まぁ、英雄として、天才として死ねて悔いはないよ。
エフェクト
そっか。
空にかざされたセムの手をエフェクトが握る。
エフェクト
私達…似てないけど似てるね。
セム
そうだ。私達は一心同体。
セム
痛みも悲しみも喜びも辛みも全て一緒だ。
エフェクト
似てない分、他は一緒にいないと気が狂っちゃうよね。
セム
そうだな。
光輝くガラスの外の青空に透かされた手は血管が透け、肉をも肌をも思いをも、透かし続けた。
火垂る
……グスッ…クスッ。
  少女
………あ、あの。
  少女が火垂るに話しかける。
火垂る
…ガラスの外って何なんですか!?
火垂るの瞳からは止まらず涙がたんたんとこぼれ続ける。
火垂る
み、みんな死んじゃったの!?
  少女
…ガラスの外は、貴方達ガラスの中の生き物が言う、死後の世界です。
  少女
みんなガラスの外の世界へ行き、地面へ落下し、地面に溶けちゃう……です。
火垂る
……みんなちゃんと落下して、ちゃんと地面へ溶けれるんですか…?
火垂る
もし、できなかったら2度と会えないかもしれない…。
火垂る
死んでしまったら、生きてる人に会えないんですよね?
  少女
…………
  少女
2度と会えないけれど、どうせ会えるよ。
  少女
始まりがあるなら、終わりがあるし、終わりがあるなら始まりもある。
  少女
ただ、このガラスの外の世界が新しいスタート地点ってだけなんだよ。
  少女
ただ、スタート地点に立つ時間が違うだけ。
  少女
少し時間が早かったら、会えるが来るまで待っていればいい。
  少女
私は待っていたよ。
  少女
でも、落下しながら待っているより、
  少女
ご飯でも食べながら待っている方が
  少女
楽しいよ……です。
火垂る
……
火垂る
そうですね。
火垂る
みんなが来るまで…楽しんで、待ってみようと思います。
火垂るが少し微笑む。
  少女
……フフッ、もちろん私は案内しますよ!
  少女は歩き出す。

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