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第15話

第四章 未来を予知するチョコレート その3
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2024/08/29 14:05 更新
【レイコside】

寺刃 ジンペイ
寺刃 ジンペイ
お前の時間だ!バケーラ!
YSPウォッチ
ワーイ!
ジンペイくんがゴーストメダルを取りだして、ウォッチにセットするとジンペイくんはバケーラを呼び出し、そのまますぐに変身メダルをセットして剣豪紅丸へと変身した!
剣豪紅丸
剣豪紅丸
赤く染まったこの身体、オヌシの血でさらに赤くなる…の巻ッ!
紅丸がお決まりのセリフを決めると、今度は自分の番だと九尾先輩がゴーストメダルをウォッチにセットした!
九尾 リュウスケ
九尾 リュウスケ
イズナ、君が必要だ!
YSPウォッチ
召喚!
文字盤に幾つもの眩い光が吸い込まれると光の中からイズナが現れ、呼び出されたイズナはキョンシー達を蹴散らしていく!
イズナ
イズナ
私を呼んだか?
九尾 リュウスケ
九尾 リュウスケ
あぁ
まるで一心同体のように並び立ったひとりと一匹。
短いやり取りだが、イズナと九尾先輩の堅い信頼関係が見えてくる。
イズナ
イズナ
フッ…あのような者共は瞬き一つの間に蹴散らしてみせよう
九尾 リュウスケ
九尾 リュウスケ
ありがとう、じゃあ行くよ!
九尾先輩はウォッチを構えて、変身メダルをセットする!
九尾 リュウスケ
九尾 リュウスケ
変身!
紫の炎のようなエネルギーが文字盤から溢れ出し、和風で軽快な音楽と共に文字盤のような光が現れ、時計の針のように回転し変身の文字が現れる。
YSPウォッチ
英傑変化!ナインテイル!
九尾先輩がさらにガゼルを回すとイズナの尻尾が9つの尾となり、九尾先輩の身体を包み込み、アーマーへと変化していく。現れたのは9つの尾を持った妖怪HERO、『ナインテイル』が現れた!
ナインテイル
ナインテイル
君がいるから、僕がいる……!
ナインテイルが優雅に決めポーズをするとマタロウくんが興奮し始める。
玉田 マタロウ
玉田 マタロウ
キターッ!ナインテイルの変身超クールっ!!
相変わらずだねマタロウくん…

ふたりが変身を終えると店長がふたりにキョンシーを差し向けた。
茶李井
行くネ!お前たち!
怨霊 キョンシー
キョキョーン!
店長の命令を受けたキョンシー達はひと塊となってふたりへ襲いかかるが、紅丸は逆にそれを利用して一網打尽してやろうとコマンドメダルをメダルをセットした!
YSPウォッチ
ワーイ!エグゼキュート!
剣豪紅丸
剣豪紅丸
紅き…一閃!
紅丸の放った斬撃はキョンシーに向かって飛んでいくがキョンシー達は素早い身のこなしで斬撃を避けてしまった。
剣豪紅丸
剣豪紅丸
なっ、速い…!
どうやらキョンシーには紅丸のようなパワー系の技は通じないようだ。
田中 レイコ
田中 レイコ
不味いな、相手が予想以上に素早い…!
ナインテイル
ナインテイル
なら、僕が…!
攻撃が当たらずどうすればと焦っていると、ナインテイルがコマンドメダルをウォッチにセットした!
YSPウォッチ
ワーイ!英名実行!
ウォッチの起動音と共にナインテイルの体は紫の妖気を纏い始める!
ナインテイル
ナインテイル
紫の舞!
ナインテイルは飛び上がり回転をつけてキョンシーを蹴り上げた!

まるで一陣の旋風のような回転蹴りはキョンシーたちの体を見事に捉え、吹っ飛ばしていく!
玉田 マタロウ
玉田 マタロウ
やったー!
ナインテイルの必殺技が決まり、倒れたキョンシーを見てマタロウくんが喜びの声をあげるがこれだけでキョンシーが倒せたとは思えない。
ナインテイル
ナインテイル
いえ、まだでございます!
玉田 マタロウ
玉田 マタロウ
えっ!?
ナインテイルの言った通りまだキョンシー達は本気を出していなかったようで店長が声をかけると立ち上がり始めた。
茶李井
ソウ!まだまだこれからネ!
キョンシー達は宙に浮き、一箇所に集まると怪しい光を上げながら合体しひとつの大きな木棺となった。

そして中から雄叫びを挙げて出てきたのは大きなキョンシーだった!
怨霊 ムキムキキョンシー
ホアッチャアァーッ!!
キョンシーはすぐさまナインテイルに飛びかかり、鋭い爪で引き裂こうとするがナインテイルはそれをしっかり避けて彼の持つレイピアで猛攻を防ぐ。

ナインテイルがキョンシーを惹き付けてる間、紅丸がウォッチにコマンドメダルをセットする!
YSPウォッチ
ワーイ!エグゼキュート!
剣豪紅丸
剣豪紅丸
奥義、紙分身!
紅丸の肉体から無数の紙のような分身が生まれ、キョンシーを撹乱する!

キョンシーが向かってくる紙分身達を引き裂いていくと一瞬の隙が生まれ、ナインテイルがキョンシーの腹部に思いっきり蹴りを食らわした!
ナインテイル
ナインテイル
今で御座いますよ、紅!
ナインテイルがキョンシーに大きく隙を作ると、紅丸はすかさずコマンドメダルをセットした!
YSPウォッチ
ワーイ!エグゼキュート!
ウォッチが反応し、紅丸の刀に炎が宿る! 
紅丸の動きに気づいたキョンシーが、やらせはせんと襲いかかるも紅丸の方が動くが早かった。
剣豪紅丸
剣豪紅丸
怒髪天、横一文字斬り!
刹那、紅丸は怨霊の胴体を斬りつけて炎の道を作りあげ背後に立つ。
剣豪紅丸
剣豪紅丸
紅畑任丸郎でした…!
そう言って紅丸が刀を鞘に収めた瞬間、体は真っ二つに別れ、大きくなったキョンシーは元の五体のキョンシーへと戻って行った。
田中 レイコ
田中 レイコ
(今の子は伝わんないと思うよ古〇任三郎なんて…)
キョンシー達が倒れ伏すとふたりは変身を解いた。
お疲れ様、ふたりとも…

倒れてしまったキョンシー達を見て、店長はこれまでかと膝を着いて項垂れた。
茶李井
あぁ…これでもうチョコレートファクトリーはおしまいヨ…
寺刃 ジンペイ
寺刃 ジンペイ
自業自得だろ?
あんな悪徳商売してたんだから
茶李井
これから一体どうすれば…
確かに今回私たちに対して彼のやった事は許されないことだが…今回ばかりは私たちを追い返すために酷い占い結果に故意的にしていたのだろう。

普段からあんな風ならばここまで人気は出ないはずだ…商売としては少なくともねずみ男のビジネスよりも真っ当と言えば真っ当かもしれない…いや、感覚がアイツのせいで鈍っているのか?

少なくとも生徒たちは楽しんでいたことだろうし、そもそも人間界で出回っている占いなんて気休めばかりだしなぁ…

裁かれるべきかどうかなんて、今の私じゃ判断つかないし

私が今回のことをどうすれば良いのかと頭を悩ませていると、倒れていたキョンシー達が立ち上がり奇妙な動きをし始めた。
怨霊 キョンシー
キョン、キョン、キョンシー!
彼らは落ち込む店長を周りを囲いぴょんぴょんと鳴きながら飛び跳ねた。

その動きはまるで踊っているようだった。
もしかして、彼を励ましているのか…?

術者と言えどここまで怨霊に好かれるなんて…彼は私が思っている以上に優しい人間なのかもしれない。

キョンシー達の動きを見て店長は何かを思い出したのかハッとする。
茶李井
そうヨ…お前たちはあの時もそうやってくれたネ…
店長がぽつぽつと過去を喋り始めた。

彼がまだ中国にいた頃、チョコレート店を営み始めたものの閑古鳥が鳴く日々を送っていた。

丹精込めて作ったチョコレート菓子は全く売れず、借金ばかりが増えて赤字の続く日々が耐えられず、彼は1度夢を諦めようとした。

そしてとある日、その日も売れ残ったチョコレートを捨てる為に路地裏のゴミ箱に入れようとした時、キョンシー達と出会った。

彼らは捨てようとしたチョコレートを奪い、美味しそうに食べ始めた。

美味しそうに食べるキョンシー達を見て、美味しいかどうか尋ねると彼らは返事をする代わりに店長の周りを囲い楽しそうに飛び跳ねたのだ。

茶李井
私のチョコはまだ誰かを笑顔に出来る…
あの時、キョンシー達が私に希望を与えてくれたのだヨ…
田中 レイコ
田中 レイコ
店長…
寺刃 ジンペイ
寺刃 ジンペイ
いい話だーっ!!
店長の話を聞いたジンペイくんは感涙しておいおいと泣き始めたが、話を聞いていた九尾先輩はどうも不可解そうにしていた。
九尾 リュウスケ
九尾 リュウスケ
ちょっと待て…希望を見つけたお前が何故フォーチュンビターブラックのような悪徳商法を?
九尾先輩がそう指摘するとジンペイくんはピタリと泣き止み、ハッとした。
寺刃 ジンペイ
寺刃 ジンペイ
そっか!お前悪いやつだった!
姫川 フブキ
姫川 フブキ
切り替え早…
九尾先輩に指摘されまた店長が続きを話し始めた。

キョンシー達に出会ったその後、諦めずチョコレートを作り続けた…その結果、店は次第に繁盛したが店長はいつか人気が無くなってしまったらどうしたらいいのだろうと不安に駆られてしまい、大ヒット製品を生み出したいと願ってしまった。

その結果が…
田中 レイコ
田中 レイコ
キョンシー達を利用してフォーチュンビターブラックを作り始めたんですね…
茶李井
ウン、でも思い返してみればフォーチュンビターブラックを食べて笑ってくれてないネ…
店長はキョンシー達に向き直った。
茶李井
すまなかったヨ…私はもう一度あの時のお前たちが食べて笑ってくれたチョコ菓子を作るネ
茶李井
そしていつかお前たちだけでなくお客さん全員を笑顔にしてみせるヨ!
店長の言葉にキョンシー達はまた嬉しそうに飛び跳ね始めた。その時、キョンシー達から妖気の光が現れてジンペイくんのYSPウォッチへと吸い込まれていく。

そして出てきたのは3枚のメダルだった。

…こうして5つ目の学園七不思議は閉幕した。
心を入れ替えてくれた店長なら彼の言ってた夢も実現するかもしれないね。

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後日、店長のチョコレートファクトリーは新商品を出した。

キョンシー達をモチーフにした新たな商品『キョンチョコ』は大ヒット!

店は大繁盛しており、中に入るとキョンシー達が出迎えてくれる。話を聞いたところによるとキョンシー達はマスコットキャラクターとしてお店を手伝ってくれたようだ。

可愛らしいマスコットキャラに加えて、さらにキョンシー達の動きを真似るキョンシーエクササイズというものも流行ったようで子供たちと一緒にぴょんぴょんとキョンシー達が跳ね回る。

良かった、フォーチュンビターブラックが無くても店長はやっていけそうだ!

YSPクラブの皆も大絶賛してキョンチョコを購入している。

楽しそうにする彼らを眺めていると私に店長が話しかけてきた

茶李井
お嬢さん、渡したいものがあるネ!
店長がそう言って渡してきたのは、ひとつの袋だった。
田中 レイコ
田中 レイコ
これは…
茶李井
前、予約してくれたやつヨ!
もうあんなことはしないから安心してネ!
手渡された袋にはYSPクラブの部員分のフォーチュンビターブラックが入っており、店長が試しに食べてみてと進めるものだからひとつを手に取って1口かじる。

すると中から紙が出てきて、占いかなと思って恐る恐る開けると入っていたのはぬいぐるみ引換券と書かれた紙だった。
田中 レイコ
田中 レイコ
引き換え券…
茶李井
占いをやめてくじ引きにしたのヨ!
それは大当たりで当店オリジナル非販売のキョンシーのぬいぐるみの引換券が入ってるネ!
私が引いたのはどうやら大当たりのようで、当たりはチョコレート一品無料引換券。小当たりは割引クーポン券らしい。

外れは応援メッセージが入っているようだ。

裏をめくるとそこには『ありがとう』とメッセージの書かれていた。
茶李井
君たちにはいっぱい迷惑をかけてしまったヨ…
YSPクラブのみんなで食べてほしいネ!
田中 レイコ
田中 レイコ
店長、ありがとうございます!
私はキョンシーのぬいぐるみを店長から受け取り、YSPクラブの輪へと加わった。ちなみにフォーチュンビターブラックを渡した時、みんなから悲鳴を挙げられたのはここだけの話…。

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