土曜日。
なぜ私はまた白雪家にいるのか。
リビングのテーブルに置かれているのは、
・ホワイトボード
・マーカー
・分厚いファイル
・なぜか指示棒
文化祭準備かと思ったら違う。
当事者が一番楽しそう。
湊がホワイトボードに書く。
【妹防衛本部・基本方針】
湊は真剣そのもの。
こはる、ポテチ食べながら。
緊張感ゼロ。
湊はさらに書く。
【緊急時対応】
私はマーカーを奪った。
ホワイトボードに書く。
【第五条:兄は学校に来ない】
湊、無言。
こはるが笑う。
その瞬間。
湊、沈黙。
湊、フリーズ。
処理停止。
私はすかさず書く。
【第六条:妹にうるさいと言われたら即停止】
湊、じっと見る。
こはるがのんびり言う。
静かになる部屋。
湊は数秒黙る。
そして小さく息を吐いた。
ホワイトボードにはびっしりルール。
だが最後にこはるが書き足す。
【最終条:楽しむこと】
3人で見る。
湊は少しだけ微笑んだ。
防衛本部ルール制定会議、終了。
ただし。
翌週、事件は起きる。
男子が、こはるに話しかけた。
そして湊は──
本気を出す。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!