___情報部門
あなた『お出ましのところ悪いけど、さっさと帰ってもらうわよ』
目の前にいるのは死んだ蝶の葬儀。ステータス制限の関係で収容違反し、近くにいた私に鎮圧が命令された。
危険度ランクは精々HE。ここで戦いなれた私には敵にすらならない。
ダ・カーポを構え、攻撃に対する構えを取る。
リーンという静かな鈴の音とともに蝶たちが飛んでくる。WHITEダメージを与えるようだけど、ダ・カーポはWHITE耐性。痛くもかゆくもない。
ただ顔を掠める蝶たちが鬱陶しいだけだ。
私は鎌を振るう。静かなオーケストラ、その名があらわすように”沈黙”を演奏するために指揮棒を振る。
速く、優雅に、繊細に。指揮者のように鎌を操る。
やがて死んだ蝶の葬儀は鎮圧され、収容室に戻った。
私のもとに残ったのは、ただの死骸と沈黙だけ。あのアブノーマリティと違い、私に万雷の拍手が送られる事は無い。
あなた『鎮圧完了しました、管理人。』
___そのまま静かなオーケストラのクリフォト暴走に向かってくれ。
あなた『......了解しました。』
よりによって面倒なアブノーマリティに暴走が着いたようだ。作業結果が良くも悪くも気分が高揚して、ところ構わず脱走して演奏する。私の作業が上手いからなのか、それともこいつから装備を抽出したのが私だったからなのか、管理人は私をこいつ専用にしている節がある。
あなた『......今日は14日か。もうそんな時期になったのね。』
ALEPHの静かなオーケストラが収容されてから1日。私は昨日超長時間の残業を強いられた。
何故なら、暴走以外で触りたくもないあいつから、さっさとギフトと装備を取ってしまいたかったんだろう。普通を出し続けるのはキツかったし、流石に2回程脱走させてしまった。
そのせいで1人の管理職が犠牲になったが、いつもの事だ。
......記憶は曖昧だが、10日から14日を何回かループしている気がする。昨日の残業で頭がおかしくなったのか、この生き地獄がループしているという妄想でも思いついたのか。私はいつの間にかこういう事が増えていた。
あなた『いい加減アンジェラに報告.....いえ、関わりたくないし止めましょう。』












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。