第3話

§ONE#2 幻月のユーベル
2
2024/06/15 04:35
つきの
めんどいなぁ…
私は思わずため息をついた。こうゆう系の仕事は本当にめんどくさい。
きさらぎ
そんな事言うなよ。それがつきのの仕事だろ? 天才諜報員幻月のユーベルさん?
つきの
うるさい。その名前で呼ぶな
幻月のユーベル。
それが私の、何故か付いた2つ名である。意味はよく分からない。
つきの
だいたい、私がなりたくて諜報員になったわけじゃないし
つきの
ほんとは軍医になりたかったのに…
きさらぎ
まぁ…お前に軍医は向かないと思うぞ…?お前なかなかのサイコだしな…
つきの
失礼な
そして私は、この月代の国に雇われて諜報員をやっている。最初は軍医として雇われかけたのだが、きさらぎによると私があまりにサイコパスすぎて解雇されてしまったらしい。詳しいことは覚えてないし、思い出したくもない。
軍医を解雇されたあと、上司に諜報員が向いていると言われて試しに諜報員をやってみたが、それがまぁ物凄い大成功だった。天職と言えるほどには。だからそのまま続けてみたのがだ…気づいたら天才ともてはやされ、幻月のユーベル変な2つ名で呼ばれるようになっていた。


まぁ私は仕事も2つ名も気に入ってないけどね…
きさらぎ
…まぁ司令は司令だ。しっかりやってこいよ
きさらぎ
帰ってきたらまたメーア奢るからさ
つきの
むぅ…
メーアが呑めると言われれば断れない…
つきの
はぁ…分かったよ。やればいいんでしょ?
きさらぎ
お、やる気出たか?わざわざメーアまで用意した意味があったな
つきの
まあね…じゃ、ちょっくら行ってくる
きさらぎ
おお、頑張れよ
きさらぎ
お前の情報でこの事態がどう動くのか…楽しみだ
きさらぎがなにか言っていたが、気にしないことにした。
~月代の国 ルーメナー州 きさらぎ宅近くの裏路地~
つきの
さぁて…どんな今回はどんな仕事かな?
その目は光がなく、殺気が滲み出て完全にサイコパスな目をしていた。もう完全にスイッチが入っている。
私はきさらぎから受け取った指令書の封を乱雑に破き、目を通す。
《司令》

・花代の国に潜入し、イーリスという女を暗殺せよ。

・花代の国の神降ろしの儀について調査せよ。

※この指令書は目を通し次第直ちに確実に消滅する方法で処分し、情報を絶対に口外しないこと。

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