僕が恋したその人は、『伊波ライ』と名乗った。
というかまだ知り合って数分の男を自分の家に入れるなんて、不用心すぎやしないか?
何をされるか分かったもんじゃないだろうに、
一挙手一投足、彼のどんな仕草も、美しく思える。
少し間を開けてから言った。
まぁ一応、研究所に連れて行かれる前にいた家はあるし、そこには世間一般では親と呼ばれるであろう人もいるのだが、、、、
あまり戻りたくはないな。
まぁ別に言ったところで何も変わりはしないし、、、。
ヒーローなんだったら余計、怪しまれないためにも言ったほうがいいか。
どこまで優しいんだ、この人は。
こんな僕に自分で買ったものを与えるだなんて。
いや、優しいというか、甘い。
考えが、行動が、善人すぎる。
僕とは違ってまっすぐで綺麗な人だと、本気でそう思った。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!