説明を全て聞き終え、私は少し俯いた。
呪術師…?呪い…?
三条家が…その家系……?
そんな話は聞いたことがない。
両親は他界してるから聞いたことないのも当然か。
なるほど。
だから本当に氷が出たのか。
少しだけ悩んだ。
だって、急に言われても困るから。
時間がほしい、と、返事をしようとした。
気持ちとは裏腹に即答する口。
こうして私は呪術師になることになった。
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その後、家に帰りベッドにダイブした。
なんで呪術師になるなんて言ったんだろう。
…。
感じないはずの気持ち。
ないはずの記憶。
少しずつ、戻ろうとしてるような不思議な感覚。
私は、どうすればいいんだろう。
今世の私として呪術師になり戦うのか。
前世の私として鬼殺隊で戦うのか。
だって、どちらの気持ちも私の気持ちだもの。
呪いを祓うことも、
鬼を倒すことも、
仲間を見つけることも、
全部、私の気持ちだし放っておけないことだから。
ねくすと
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。