滝夜叉丸side
私の同室である、綾部喜華…前世の名で言うと綾部喜八郎は、ある日突然ボーイッシュになった。
そう…これは約2週間前のこと…。
喜華は前世を彷彿とさせるようなくらい髪が長く一つに縛っていたのだが…その髪が…後ろ髪が…見事に無くなっていたのだ。
私はてっきり失恋したからバッサリ行ったのだと思ってしまった。
私の心の中を読んでるのか?
喜華は恋と本気で向き合っている。
前世も同性に生まれ、今世でも同性として生まれてきたが…それを関係なしに振り向かせようと…。
それに比べ私は…ただ同じ委員会ってだけで幸せを感じている。
…私も前へ進まなければ。
と思ったのが2週間。
しかし私は…何もできていないのだー!!
ずっとこうして私の練習に付き合ってもらって。
そろそろ七松先輩は部活を引退されてしまうから。
……ん?
もしや…引退されてしまったら委員会以外で会う機会が無くなってしまうのでは?
……。
委員会だけだと2人のチャンスがほとんどない。
だったら近いうち……いや、今告白した方が早いのでは。
私の気持ちを伝えるだけでも……!!
いや、いきなりすぎる!!
「七松先輩に言いたいことがあります」
そう言おうとした時。
七松先輩は声が聞こえるとすぐそちらをお向きになられた。
そして嬉しそうに…。
そう言って七松先輩は中在家先輩と行かれてしまった。
私は、2つの意味を込めて先輩に「応援している」と告げた。
それは……。
中総体、どうにか勝ち抜くように応援してる。
あともう1つは……七松先輩の恋が実るように応援してる。
七松先輩は中在家先輩が来られた途端瞳が輝いているように見えた。
私の恋は…500年に渡る片想いはどうやら失恋に終わるようだ。
これも私の中の美しい歴史だと思えば…これも悪くないだろう。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。