第27話

#26
5,149
2024/08/01 07:00 更新
おおはらMEN
ま、おう?
??
…そう。俺は魔王って呼ばれてる。
その魔王さんが、何故俺を?
??
何故助けてくれたのかって?
おおはらMEN
分かるの?
??
なんとなくね
??
??
闇魔法ブーヨ:透視「過去」)
??
…成程ね…
??
君を助けたのに深い理由は無いよ。
??
最終的に生きたがってたから助けただけ
おおはらMEN
生きたがってた…?
??
…うん
??
爆発魔法。繰り出そうとしてたでしょ
おおはらMEN
おおはらMEN
(生きたがってたんだ…)
??
ん?君…
??
…ふぅ〜ん?
??
(四十年前に合った僧侶と同じ魔法が入ってる…)
??
(確か…時空魔法…でも本人は気付いてない)
??
(この子…今後どうなるんだろ…)
??
君、これからどうするの?
おおはらMEN
これ…から?
どうするものか…どうしようもないというか…
このまま此処で必要最低限の生活を送って死ぬ。それ以外何があると言うのか。
おおはらMEN
何も考えて無い…
??
まぁ…そうだよね
??
今まで通り一人で生きて行くの?
おおはらMEN
…知ってるんだ…
おおはらMEN
まぁ。それしかない
??
…じゃあ、一緒に来る?
おおはらMEN
…え?
魔王と一緒に?
何をされるんだろう。母さんから聞いた話だと大分冷酷無慈悲な奴だ。助けてくれたのも気まぐれと言っても納得できる。
人形マリオットになるんだろうか…
まぁ…別に良いか…
おおはらMEN
分かりました。ついて行きます
??
納得してなさそうだけど、良いの?
おおはらMEN
はい。
おおはらMEN
もうなんでも良いんで
??
…そうかい
おんりー
俺の名前はおんりー。魔王と呼ばれてる。
おんりー
これから宜しく
おおはらMEN
はい…




























おおはらMEN
ここは?
目の前にあるのはボロ家だった。
おんりー
これから住む家。
おおはらMEN
ほう。これが…
おんりー
…ねぇ、君さ、この家が昔の様に戻ってるのを想像しながら魔力を込めてみて
おおはらMEN
戻る?はい。
家を全体的に見終わった後、この家が昔に戻る想像をする。
おおはらMEN
え……?
不思議だった。家が。散乱した木材が。段々元あったであろう位置に戻っていく。
まるで、巻き戻しをしている様だった。
あっという間に木造の大きな家になった。
おんりー
これは時空魔法というやつだよ
おんりー
そのまま出している魔力を少しずつ少なくしていって。勿論、魔法の威力は弱めないまま
おおはらMEN
…はい…
大分難しい事を言われている。
こんな事、したこと無い。集中力も、足りる筈が無かった
おおはらMEN
……ッう
気が散って行く。
息が出来ない…
おんりー
集中
両肩に手を置かれる。
不思議とその声を聞くと、眉間に寄ってたシワも無くなって、集中出来ていた。
そのまま数分経つ。
おおはらMEN
こ、これくらいですか?
おんりー
上出来だよ。目を開けてご覧
おおはらMEN
?パチ
おおはらMEN
あ…
さっきより遥かに魔力を使ってないのに何一つ変わってない家の様子に驚いた。
おんりー
これが、魔力操作だよ
おんりー
やっぱり、君は筋が良い。
おおはらMEN
…ありがとう…ございます…?
おんりー
で、今日からここに住むから
おんりー
この状態をキープしてね
おおはらMEN
え、魔法をずっと発動させるんですか
出来るかな…という懸念が出てくる。
……?
懸念?
これは…感情…?
おおはらMEN
おんりー
ま、無理だったら他の方法を取る
おおはらMEN
…いえ…大丈夫です
おんりー
…ご飯にしよっか
おおはらMEN
…ご飯ですか?
おんりー
うん
おおはらMEN
…い、良いんですか
おんりー
…?君、生き物じゃないの?
おおはらMEN
え…生き物ですけど…
おんりー
じゃあ、ご飯いるじゃん
おおはらMEN
あ…はい…
おんりー
直ぐ作るから、ちょっと待っててね
おおはらMEN
……
おおはらMEN
変…なの…
































魔王さんに着いて行ってから二月程経った。
おんりー
一日だけ開けるけど、大丈夫?
おおはらMEN
はい
おんりー
ご飯は作ってるから、火を焚いて温めて食べてね
おおはらMEN
…はい
魔王さんは毎日毎食ご飯を作ってくれている。偶に手伝う事もあった。
そして魔王さんは偶に家を開ける事があった。
何をしているかは知らない。俺はもしかしたらその理由を知りたいかも知れないが取り敢えず置いておく。
ここに来てから、人として扱われる様になった。村の人達よりもずっと優しい。
想像していた生活とは丸っきり違って戸惑う。
おおはらMEN
…いってらっしゃいです…
おんりー
うん。行ってきます
相変わらず声は柔らかく顔は固くで返事をして来た。












































おおはらMEN
…もう朝になるな…
俺はずっと帰りを待っていた。
おおはらMEN
おおはらMEN
…捨てられたのかな…
そんな考えが頭によぎる。
この二ヶ月、俺は何だかんだ言って必死だったのかも知れない。
捨てられない様に、頑張ってたのかも知れない。
捨てられたかも知れない。と思ったら、途端に胸に嫌な感情が広がった。
怖いと、寂しい…だろうか
何だかんだ言って信用してたのかも知れない。
おおはらMEN
(魔王って呼ばれてるのになw)
でも、俺が上手く魔力操作出来なくて家が元に戻ってしまう事が何回かあった。その度に失望されてたのだろうか。
おおはらMEN
……
完全に、頭を持ち上げられなくなってしまった。
おおはらMEN
おおはらMEN
(もう…良い…か…)
諦めた。


































ガチャ
おおはらMEN
!?
おおはらMEN
魔王、さん?
おんりー
…え、ずっと起きてたの?
扉が開いた音がして反射的に顔を上げると、そこには自分より年上の。でも少年の顔があった。
おおはらMEN
……
おんりー
え?
おんりー
目の下の隈、凄いよ?
おおはらMEN
………
言葉が出ず、口をパクパクさせている俺に戸惑う魔王さん。明らかに心配を感じさせる声をしていた。
おおはらMEN
帰って…来て…くれたの?
おんりー
え、うん。一日だけって話だったでしょ?
おんりー
ご飯も一日分しか用意出来てなかったし
ご飯……?
おおはらMEN
……ポロッ
おんりー
…え
おんりー
あ…
おおはらMEN
捨てられたのかと…思った……
おおはらMEN
良かった…
おんりー
!……
おんりー
俺が誘ったんだから。
おんりー
置いて行く訳無いでしょ
おおはらMEN
ポロポロ
優しくて力強い言葉に俺は泣く事しか出来無かった。
おおはらMEN
傍に…居てくれる…?おんりーさん
おんりー
!?(呼び方…)
おんりー
勿論。傍に居るよ。MENが離れる時までね
久し振りに、MENと言われた。
























俺を救ったのは神様なんかじゃなくて、優しい魔王だった。

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