第5話

第3話 異世界
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2026/03/20 14:09 更新
抱っこしていたスライムさんは一度地面に下ろしてあげた。
ぽよん、と不安げに揺れる(ように見えた)ボディに、また抱きしめてあげたくなる衝動をぐっと堪える。


……今はそれどころじゃない。
竜に教えてもらった通り、意識を集中させる。
魔力の流れを感じ取るように。
頭の奥で、誰かに呼びかけるように。
スライムさんは私の目の前で、ぷるぷると揺れていた。
こちらを見上げている……気がする。
すると__
???
「……聞こえる?」

頭の中に、小さな声が響いた。
驚いて目を開く。
今の声は__
スライムさん?
???
「ええと……聞こえますか?」
???
「おぉ!聞こえる聞こえる!」

スライムさんの体が、嬉しそうに大きく揺れた。
さらに、スライムさんは周りも見えるようになったみたいだった。
???
おい、我を無視して2人だけで話すでない
???
では、改めて自己紹介を
ヴェルドラ
我は暴風竜ヴェルドラ、この世に4体しかいない竜種の一体である!

雄叫びをあげる竜――
じゃなく、ヴェルドラさん。
その声量に、洞窟の壁がびりびり震えた。
ミシミシ……。


……大丈夫かな、この洞窟。
崩れたりしないよね?
でも当の本人は気にした様子もなく、堂々と胸を張っていた。
ヴェルドラさんは案外おしゃべりというか、尊大な態度だけれど丁寧にこの世界のことを教えてくれた。
そのおかげで、私はようやく一つの事実を理解する。



__ここは、私が知っていた世界じゃない。
完全に別の世界。
つまり……異世界。


そして、一つ驚いたことがある。
スライムさんは、なんと私と同じ転生者だった。
???
「いやー、まさかこんな所で同じ境遇の人に会うとは思わなかったよ」

通り魔に刺されてスライムに転生したと言う。
……。
死因が理不尽……。

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