第4話

第4章 オジェの覚醒
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2025/10/16 06:36 更新
白銀荘。グラファイトの壁に囲まれた国は、冬の深夜、濃霧に覆われている。白銀荘から遠く離れた廃市街地の奥、黒潮の実験施設は鉄とコンクリートが朽ち、不気味な光を放つ。冷たい廊下の闇に、ミケラ=ロイヤリティが立つ。新米銀警官、白髪と青色の瞳。哀の感情を持たず、日本語は不器用――母の「喋れなくても、戦う『力』だけはあるよ」が心の奥で響く。手には白銀の銃。引き金を引けば弾丸が標的を貫き、敵を裂く。ミケラの「声」だ。

オジェ=ル=ダノワ。金血の副作用により、冷酷無慈悲、怜悧冷徹の怪物たる銀警官。チェーンソー型大斧を操り、敵の力を奪う。だが今、白黒保安官・羽黒が白金と黒液の混ざった鎖でオジェを縛り、実験施設へ連行していた。ミケラは必死に追い、恩返しの思いで施設の鉄門を撃ち抜く。
「オジェ…助ける…!」
ぎこちない言葉が廃墟に響く――母の記憶を燃やしながら。

実験施設の奥では、軍医である黒潮が待ち構える。屈強な白黒人、白黒のアシンメトリーショートヘアー、オッドアイ、冷酷な男。
「オジェ、金血の極致。完璧な実験体だ。使わせて頂くよ」
冷笑が響き、黒液の刃がミケラを襲う。
「悪いが、君は邪魔だ」
戦闘が始まる。

ミケラの白銀の銃は連射を繰り返し、銃弾が黒液の波を切り裂く。追加の弾丸は鉄壁を貫き、霧に火花が舞う。黒潮の黒液が波打ち、ミケラを飲み込もうと迫る。白銀の銃が粉砕し続けた。
「…力、使う…!」
母の言葉が力となり、弾丸が黒潮の肩を掠める。しかし羽黒が背後から白金と黒液が混ざった鎖でミケラを絡め取る。
「終わりだぁ!」
鎖が締まり、膝をつくミケラ。絶望が瞳に滲み、黒潮が刃を振り上げる。
「白蟻は薬にもならん」

その瞬間、オジェの胸から白金の蔓が爆発的に伸びる。両腕に巻き付き、グローブのように融合。チェーンソー型大斧は白金の蔓と合体し、金血の輝きを帯びる。顔にはゴシック調のアイマスクが形成され、瞳は白金色、黄金の光が両目に灯る。ジャケットが滑り落ち、ワイシャツが乱れる。
「君らが終わりだよ」
オジェの声が轟音となって施設を震わせる。

黒液の鎖を一瞬で断ち切り、火花と霧が渦巻く。羽黒は叫び、「カスめ!」と黒液の鎖を乱射するが、オジェの大斧が容赦なく襲いかかり、鎖を切り裂く。チェーンソーの刃は唸り、羽黒の胸を貫く。血と黒液が飛び散り、壁が崩壊。黒潮も黒液の刃で反撃するが、白金の蔓が瞬時に絡め取り、粉砕。チェーンソーが唸り、黒潮の腕を切り落とし、大斧が胴を両断。
「死ね」
オジェの瞳が光り、爆炎が霧を焼き、施設は消滅する。

ミケラは解放され、白銀の銃を握り直す。
「オジェ…助けた…!」
しかしオジェは止まらない。囚われていた人間や白黒者を一網打尽に――幼体が逃げ惑うのも許されず、無慈悲に切り裂かれる。
「ミケラくん、援護!」
震える手で銃を構えても、殺せない幼体はオジェが始末する。
「無駄な慈悲は捨てな!」
命令に従い、ミケラは実験記録を回収。データパッドや薬瓶を掴み、爆炎と霧の中を駆ける。

オジェは施設を破壊し尽くす。チェーンソーの轟音が鉄骨を切り裂き、白金の蔓がコンクリートを砕く。爆炎が霧を焼き、瓦礫と化した施設の中で、ミケラは白銀の銃を握り、母の言葉を噛みしめる。
「力…使う…!」
だが、覚醒したオジェに対して、恐怖が胸の奥に寄り添う。ジャケットを拾い上げるオジェが冷然と尋ねる。
「記録を回収したか、ミケラくん」
頷くミケラ。
「…回収、した…」

オジェは羽黒と黒潮の討伐レポートを銀警察署に送信。受け取ったビショップとルークは言葉を失う。
「…あいつの名前なんだっけ…?」
冷徹な眼差しが揺れ、ルークは「金玉」と即座に吐き捨てる。「静寂の詠唱」で事務室の空気は重く沈む。

ミケラは白銀の銃を握り、霧の中で立ち尽くす。母の言葉が静かに心に響く。
「力…戦う…」
オジェのチェーンソー型大斧が低く唸り、白金の蔓が微かに揺れる。瓦礫に包まれた施設の余韻の中、金血呪詛病の影が蠢き、ミケラの心には新たな火が灯る。だが、覚醒したオジェは、彼自身にも抗えぬ暗い影を残していた。

翌日。オジェは温和ながらも非道な性格に変わる。白金の伊達眼鏡、ファスナー式ワイシャツ、プリーツスカート型ズボン、ショートブーツ、クラッチバッグ――個性的な私服で、静かにミケラをカフェ「星冴」に誘う。
「ミケラくん、銃の力は本物だ。けど、心が弱いな」
温和な笑みとともに、ミケラはぎこちなく頷く。
「力…僕、戦う…」
カフェの灯りに二人の武器が反射し、白銀荘の壁が遠くで静かに輝いていた。ミケラとオジェの間には、奇妙な絆の予感が漂いはじめていた。

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