幾千年も昔、
季節は四季の神々の手によって、巡っていた。
冬が大地を眠らせ、
春が冬を師の如く追っては
大地に目覚めをもたらし、
夏が大地の命を躍動へと導き、
秋が大地の命を奪い、冬に備えさせた
しかし、何百年も同じことを続けているうちに春の神は嘆いた。
愛しい冬を愛する時間が無いと。
追えば追うほど遠くなって辛いと。
自分を後ろから慕い、追ってくる春を愛していた冬も、
「お前を愛する時間が欲しい」と嘆いた。
そこで秋の神が言った。
「大地の生き物に役目を任せてみてはどうか」と。
まず、牛に役目を負わせたが、
歩みが遅く、冬だけの1年になった。
次に人間に役目を負わせたが、
彼らの居心地のいい春だけが続き、
季節が巡らなかった。
最後に鳥に役目を負わせると、
見事にその役目を果たし、
四季が上手く巡った。
それに安堵した神々は、
役目を与えられた鳥に聖鳥と名を与え、
春と冬は互いのために時間を得られた。
しかし、聖鳥が季節を巡らせることによる欠点もあった。
季節がまだらなのだ。
高いところから見下ろすようでは、
野うさぎの住む洞穴や、
木漏れ日の下にまでは四季が届かなかった。
どうしたものかと聖鳥が首を捻らせていると、
反省をした人間が彼らの前に現れ言った。
「四季巡りの手伝いを、
私達にさせてください。
そしてどうか、大地に安寧を齎してください」と。
これは、聖鳥様の御遣いである人間達の四季贈りの話である。
ー聖鳥様の御心のままにー
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本作は、暁佳奈先生著の春夏秋冬代行者のオマージュです。
原作を呼んだ方が、より世界観が伝わりやすいかと存じます。
原作ファンだからこそ通じる価値観(例:四季の中では冬が1番偉い)が少なからずあるかと思いますので、
「どうして前提がこうなんだ?」と思われた方は是非、ご一読ください。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。