俺は家元 爽介、2年A組の学級委員。
俺は今、苦悩している。どうしてこんな事を
してしまったのだろうか、と。
何があったかって?
それは、数分前のこと…
俺は、気になる人がいる。なんなら
目の前にすやすやと寝息を立てて寝ている。
その人は、クラスメイトの墓杜 冥々さん。
紺色でサラサラの髪に、サファイアみたいで
吸い込まれそうな綺麗な瞳が魅力的な女子。
俺が副部長やってる剣道部のマネージャー。
絵が超上手くて、剣道部の勧誘ポスター
なんか描いてくれたりもする。
いつも元気な彼女だが、疲労が祟ったか
体育の授業中にぶっ倒れてしまった。
それが俺の苦悩の原因である。
何が問題なのかって?
俺は、何を思ったか彼女をお姫様抱っこで
この保健室まで連れてきてしまったのだ。
咄嗟の判断とはいえ気持ち悪すぎる。
彼女からしたら、ただの部活の知り合い
兼クラスメイトである男に身体を
触られた訳である。しかも意識ない時に。
だってクラスメイトだよ?
俺たち付き合ってもないんだよ?
友達でもないんだよ?クラスメイトだよ?
あっちからしたら最悪すぎる訳で。
とか言いつつ別に「好き」ではない。彼女は
ただ「気になっている」クラスの女の子である。
誰が運んだかバレないように早く
授業に戻らねば…と思い、彼女を寝かせた
ベッドの横の椅子から立ち上がる。
が、一旦座り直す。
いや、こんなチャンス滅多に無いし…
でも、墓杜さんからしたらクラスメイトで
ただの知り合いに寝顔見られるのは
嫌すぎるよなとは思うんだけど…
俺はどうしても離れたくない理由があった。
この生物、寝顔が可愛すぎるのだ。
なぁんだこいつ。小動物やん。
思わずそんな一言が漏れてしまった。
これが聞かれてたら流石に自害を検討する。
そうして、チャイムが鳴った気がしたが
無視してしばらくその可愛らしい寝顔を
見つめていると、「んん…」と妙に婀娜っぽい
声を出しつつ、彼女が目を覚ました。
と思ったのは墓場まで持って行く事にする。
もう一度言うが、俺は彼女が「好き」ではない。
ただ単に彼女が魅力的な女の子だから少ーし
だけ「気になっている」だけである。
彼女はまだ眠たいのか眼を擦る。
そう言って、俺は保健室を足早に出た。
〜めめんともり視点〜
私がぶっ倒れたのって12時前くらい
だったよね?そっから30分家元くんが
横にいたってこと?そんな訳ないよね?
っていうかアレってもしかしなくても
私の分のお昼ご飯も買ってきちゃう
やつだよね?お金払わなきゃ…!
っていうかスマートすぎないか?
普通に落とされかけたんだが?
もう…
そう言って、恥ずかしさのあまり
三角座りをして自分の膝に顔を
埋めてしまった。
なんとなく、頬と耳が熱い。
心拍数の上昇を感じる。
iemonがモテるのは知ってたけど、
モテる理由がより分かった気がした
めめんともりであった。
でも、決して恋心を認めた訳ではない。
彼はただ「気になる人」なのである。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。