前の話
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↺ 死ネタ . 学パロ .
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「 俺は止めれないわ 」
僕は今日 ,学校の屋上から飛び降りる .
「いやぁ ,儚かったなぁ…」
部活も終わって生徒の影が見えなくなっていった頃
遠くに見える家の数々を見つめる .
「いつ見ても綺麗よな,この町って」
曇り空に独り言が吐かれ ,流れていく .
家へと帰るカラスを眺めて雰囲気に浸る .
そんな無意味な行為を繰り返して ,やっと体が動く
「 ~~~ 」
何も考えずに思いついた歌を歌い続ける
4曲 ,歌い終えた所で靴を脱いだ .
自分よりもずっと高く設置されたフェンスに
手を伸ばしたとき
「それ ,やめろや」
「えっ ,…」
後ろを振り返ると ,金髪の男子生徒が見ていた .
僕よりも身長が高くて冷たい瞳をしている
「その行為に何の価値があんねん」
「そんなことすんなら家帰れ」
予想通り口からは辛辣な言葉が出てくる .
「…好きな人達が僕の事を見てくれへんくなった」
「やから ,飛びたくなったん」
思ったままを伝える .
「そんなくだらへん理由で死ぬなや」
「…せやね」
名も知らない ,顔を見たこともなかった彼に
そう言われた僕はそのまま帰った .
「今日も生憎の天気やなぁ」
昨日と同じ道で来て ,同じフェンスの前に立った .
わざわざ昨日と同じ時間に合わせて
「…今日もおるんか」
ぼーっと ,家を見つめていると
昨日と同じ格好をした彼が立っていた .
「そりゃあね,お前こそ来てるやん」
「元々は俺の場所やからな」
「へぇ ,まるで漫画の主人公やね」
見た目的にも主人公ポジにいるタイプだろう
顔は人並み以上に整ってて ,モデル側の人間だ .
「そんな大層なもんちゃうわ」
「お ,結構おもろい奴やなぁ」
「…なんやねんお前」
「ん?」
近付いてくる彼の制服はしわくちゃだった .
「死にたいんちゃうの」
「うん ,死にたいで?」
「何でや」
真っ正直に聞くところから純粋であることが伺える .
「皆僕の事を無視すんねん」
「話し掛けても ,言葉は返ってこぉへん」
昨日のように ,彼はまた口を開く .
「周りに流されて死ぬんか」
「つまらん人生やな」
「…確かにね」
その言葉に頷いてフェンスから離れた .
一昨日から名も知らない男の自殺を止めている .
俺が行こうと思っていた場所にくだらない理由で
先に行こうとしていたから口が動いた .
「 やめろや 」
そんな言葉を自分にも言い聞かせるように
前髪の長い青髪で ,体調の悪そうな男に言った .
口を開けば
「 僕のことを見てくれなくなった 」とか
「 皆が無視してくる 」なんて
きっと俺の方が苦しい ,と思う
「あ ,また来たんやね」
同じ時間に行くと ,彼奴はまた居た .
「…ほんま ,毎日居るな」
「お前やってそうやん」
「はぁ……で ,今日は?」
「僕 ,苦しいねん」
「へぇ」
目も合わせない男は震えた声でそう言った .
「何で?」
昨日と同じように言葉を返した .
「居場所が無いから」
相変わらず ,くだらない理由で死のうとしている .
「…お前は ,帰ったらええやろ」
「温かいご飯も ,好きな家族も居るんやから」
俺とは ,違う .
家で親が喧嘩ばかりして俺に興味なんかない
偶に暴力を振るって ,脅かしてくる
そんな奴等が居ない此奴は ,きっと
俺より恵まれているのだろう .
「…そうかもね」
前と同じような返事が返ってきた .
こないだなら ,そう言って帰っていった .
けれど今日の此奴は動かない .
「…まだ何かあんのか」
「………」
まだ会って3日 ,それでも異常な雰囲気を感じる .
そして其奴は俺が聞きたくなかったことを言った
「僕な ,家が怖いねん」
「………」
震えていた声が ,泣きたそうな声に変わっていた .
「お母さんはいつも僕に言うんや」
「あんな男の息子 ,さっさと消えればいいのに」
「って , 」
「お父さんはいつも僕を殴るん」
「お酒が入ってるからリミッターが無いんやろうね」
そうして夏に合わない長袖の制服を纏った
左腕を擦って ,俺の方を振り返る .
「………なぁ ,なんか言ってや」
初めに見たときの ,あの生きたそうな瞳が
俺に向けられている .
きっと ,此奴一昨日俺の言葉で命を繋いだ .
無意味な行動ばかりして ,時間を過ごして
死のうとした時に来たのが俺だった .
死にたくなかったんだと ,俺は分かっていた
だからこそ俺は此奴を止めるために生きた .
そうして自分が死ぬことも遅らせるために
俺の言葉は ,彼奴と自分を生かす
そんな言葉であったんだ .
だからせめて ,此奴は俺より恵まれてて欲しかった
同じ理由で飛びたいなんて知ったら
止めれなくなってしまうから .
「…俺は ,お前を止められへんわ」
正直に伝えた ,珍しく震える手から視線を離して
「…そっか ,そうよな」
此奴も俺も ,お互いどんな気持ちで居るか
気づかないふりをしていただけだった .
「ねぇ」
その生に縋っていたかった瞳から解放されたような
そんな気がした .
「僕と飛ばない?」
名前も ,性格も ,どこのクラスかさえ知らない
そんな男と僕は空を飛んだ .
でも ,それでもいいと思ってしまった .
空は雲1つ無い ,綺麗な夕日だった .
少し解説をさせていただきます !!
utはknと会う日屋上から飛び降りようとしたんです .
でも本当は死にたくはないから ,
誰かが止めてくれるのを待っていた .
そんな時 ,救世主のように現れたのがknです .
kn自身 ,両親の喧嘩に嫌気がして家出中で
死のうと考えていて自分の通う学校に来ていました .
そんなときに先客でutがいて ,
彼を見たことがあった彼はすぐに察しました .
同じ行為をするだけなのに ,彼は何故か止めました .
自分も同じように死にたくなかったからかもしれません
だから彼の気持ちに気付きながらも止めた .
でも人の気持ちはそうそう変わらないから
3日経ってすぐに限界が来た ,そんな感じです .
解説長すぎましたね 🙄
文章にまとまりが無くてすんません ~ !!
もし ,よしければ感想をコメントしてほしいです !!












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!