___17年前
海真は辛かった。まだ5歳だと言うのに、両親も、親戚も、友達さえもいなかったから。
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一緒に暮らしていたのは両親だけで、1ヶ月前、両親は2人で旅行に行くといい、家を出た。
何も知らない海真は待つことしかできなかった。
1週間前もすると、食べ物が無くなった。
だから海真は、親が置いていった数千円でパンや、お菓子を買って食べた。
もう一週間すると、お金も無くなった。
海真は途方に暮れ、飲食店などのゴミから食べられそうなものを拾って食べた。
そんなある日だった。
その日は、なかなか食べられるものがみつからず、ゴミを漁っているときに、警察に保護された。
海真が事情を伝えると、警察は海真を施設に入れた。
海真は泣いた。
大人たちが、陰で自分のことを『親に捨てられた可哀想な子』と話しているのを聞いたのだ。
そんな中、海真にも一緒に泣いてくれる人がいた。
その言葉は、泣いている海真には届かず、彼女は……
施設から引き取られ、それから、それから………
新しい家族の待つ家に向かう途中、事故にあって______
______________亡くなった。
海真の記憶に彼女はいない。
というか、彼にはそれ以前の記憶が一切ない。
唯一覚えているのは、親に捨てられた事実だけだ。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!