最近、テヒョンアヒョンは変だ。
あなたがメンバーに入るってなってから
テヒョンアヒョンだけ反対した。
理由は教えてくれなかった。
でも、社長に説得されてもう何も言わなくなった。
でもまだ嫌なのかななんて思って、
嫌なんですか、そう聞いてしまった。
どうしてそんなこと言ったんだろ。
テヒョンアヒョンの顔が引きつった。
今でさえ空気が凍ってるっていうのにもっと悪くして。
最悪のマンネだね。
「まぁいいや」
こんな言葉でこの空気を帳消しになんてできっこない。
でも、これが精一杯の気遣い。
本当にテヒョンアヒョンはあなたが嫌なんだろうか。
あんなに仲良かったのに。
1番に話しかけた僕ですら入り込めないくらい、嫉妬するくらい仲良かったのに。
本当の兄妹みたいだった。
久々に会ったあの日、
あなただってずっとテヒョンアヒョンの方見てたのに。
テヒョンアヒョンは嫌な顔してた。
僕らが部屋から出て行ったあと部屋からあなたの反省の声が聞こえて、懐かしかった。
昔から反省して、反省して、反省しまくってた。
これだから可愛いんだ。
でもその反省を存分に生かして次会う時に完璧でくる。
あなたと一緒に活動できていいじゃないか。
また昔みたいに8人ではしゃげるんだから。
あなたは、なぜかあんまり歳の差を感じない。
10歳も離れてるのにね。
でも、会わなくなってから3年経って驚いた。
背は伸びて、顔も整って。
綺麗だ、
まずそう思った。
一瞬胸が高鳴った。
いつもしっかり縛ってたあの長い髪はバッサリ切られて男の子みたいだった。
あなたは昔から男の子に憧れてたから
僕らが着てる洋服とか見て、いいなーなんて呟いていっつも羨ましがってた。
こんな格好になるって、予想はついてたけど…
綺麗すぎる。
あなたはよく自分を謙遜するけど、きっと大丈夫だ。
誰も嫌なんて言わない。
言わせない。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!