お久しぶりですね。
余談ですが、主人公のステータスをだいぶ下げました。普通に考えて副隊長クラスが限界でしょうし。
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こんなこと言ったら笑われるかもしれないけれど、正直自分でもどうして呼びかけてしまったのか分からなかった。
ただ、一つだけ言えることがあるとすれば…そいつは沖縄で琴歌先輩を狙った奴と気配が似ていて、悪信教である以上再び狙ってくる可能性があるという事。
私の友人に手を出すというのなら、見逃すことは出来なかった。…例えそれが、無謀だとしても。
琴歌先輩__月詠琴歌は、地球防衛軍 第一部隊隊長 月詠白鳳 、光側の人間で最強の人物の愛娘。
彼女を狙うのなら、理由はそれだけで十分のはず。
万が一戦闘になることを考えて、いつでも武器を生成できるように戦闘態勢をとる。
一方男はと言うと、私から少し離れた観客席に腰掛け、私の問いに対してユルユルと首を振り否定を示すだけだった。
確かに、パト達の中には隊長クラスに匹敵する実力を持つ人も居る。例えばソフィア、メリアちゃん、パト、そして……雪花。
フードの色を見るに、アイツは王クラス。お父さん達隊長ですらも戦闘を禁止されているほどの凶悪な存在。
そんなやつでも、実力者を相手にするのは面倒なのか…いや、それとも、事を大きくして目立つのを好まないだけなのかもしれない。
どちらにせよ、相手は裏でコソコソとやるタイプだ。じゃなきゃ、琴歌先輩を殺そうとした時にすれ違い様に遅延性の毒を付与したりしない。
アレは、自分がやったように見せかけない為の行為だ。もしも私がいなければ琴歌先輩は海で泳いでいる時に毒で死亡し、原因は不明、もしくはクラゲにでも刺された事故と処理されていたかもしれない。
マズイ…相当頭のキレるタイプだ。
【自然支配】で光と雷を体に纏い、逃げる体制に入る。けれど決して背は向けずに、アイツとは向き合ったままだ。
「お前は随分と、利用価値がありそうだ。」
そう言って、奴は悪意を塗りたくったような笑みを浮かべた。
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会場からの帰り道、パト、琴歌、メリア、月花の四人は琴歌の自宅へと向かっていた。
四人が横一列になっていては他の通行者の邪魔になるため二列になって歩いていたのだが、その前列で並んでいた琴歌は後ろの二人に聞こえぬよう声の大きさを落としてパトに問いかけていた。
__…どうして、琴歌はそう思うのだろうか。
確かに何かがあったと言われればあったのだろう。
パト自身特別何かを言われた訳では無いが、不穏な雰囲気は主にメリアを通じて感じてはいた。
だが、決してそれを表に出すような真似はしなかった。それは穂花も同じだったはずで、いくら友人と彼女という二つの立場にあるとはいえ琴歌が気づくとは微塵も考えていなかった。
返す言葉が見当たらず、パトは言葉に詰まってしまった。
正確には「嫌い」というハッキリとした拒絶だったが今はそんなことどうでも良い。
パトは琴歌の言葉を頭に取り込み、ゆっくりと理解する。今の言葉が正しければ、彼女は今、穂花は己を好いていないと言ったのだ。
『私も狙ってるね?パ〜ト?』
まだ幼さの残る顔を赤く染め、自分にそう笑いかけたあの時の光景をパトは覚えている。
___だけど、もし。
もしもそれが全て嘘だとしたら。
偽りの姿を見せていたのだとしたら。
本当の彼女は、四季 穂花とは一体誰なのだろうか。
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「私は…___」












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。