ピーピーピー
レンジの音がなり、辺りはクッキーのいい香り。
楠野くんは慣れた手つきでクッキーを取り出しお皿に並べていく。
見るからに美味しそうな焼き色のクッキー。
私にはできそうもないな・・・
私は、クッキーをひとつ頬張る。
食べた途端、口に広がる甘味。
混ぜられているチョコチップ。
何もかもが美味しい。
下から私の顔を覗くように見てくる。
やばい、すごいキュンとした・・・
1人恥ずかしくなって、悠人君の顔を直視出来ないでいると
と、急に聞いてきた。
訳が分からず聞き返す。
不貞腐れた顔で私を見てくる彼。
なんか、、誤解されてる。
その笑顔にまた心を掴まれる心遥でした。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!