リノside
「北国のマフィアのボスを殺せ」
という嘘の依頼を使って、Sを誘い出す作戦。
基本的に金払いの良い依頼には食いつくと聞いて、ダメ元でやってみたが…
どうやら成功したらしい。
廃工場でしばらく待機すると、
黒い服に身を包んだ、すらっと背の高い男が一人やってきた。
思っていたより若くて華奢。裏世界で生きている人間とは思えないほど白くて澄んだ肌をしている。
密かに後ろから銃口を向けると、男は即座にピタッと動きを止めて両手を上げる。
勘付かれた。物音はたてないようにしていたのに、だ。
やっぱり普通の殺し屋じゃない。
応答なし。
耳からの情報を完全に遮断しているのか、無視してるのか。
まぁ、そりゃ簡単にはいうこと聞いてくれないよね。
カランッ…
彼が、つけていた指輪を外して床に放り投げる。
それに目を奪われた瞬間、
下から鋭利なナイフが振り上がってきた。
ナイフの刃先が目前まで来たが、間一髪で避ける。
危なかった…ワンテンポ遅れてたら、死んでた。
さすが殺し屋と言うべきか、やっぱり一筋縄ではいかない。
これは思ってたより大変な仕事になりそうだ。
… side
捕まった。
想定以上に、相手が強かった。
まさか一対一で負けるとは…
もともと生きている意味なんてなかったし。
守りたいものもない、指示されたことをするだけの、ただの道具。
後にも先にも、どうせ使えなくなった道具は処分される。
相手は一人。
今すぐ殺して逃げてやりたいところだけど、
あいにく重い鎖で手足がぐるぐるにくくりつけられている。
それに、あと少しで薬の効果が_________
開いた傷口から血が噴き出る。
咄嗟に抑えた手が一瞬で赤く染まった。
医者に頼れないからって自分で適当に縫うんじゃなかった…
、、、あれ?
声が出ない…
意識が、持たない…
揺れる視界の端に映る男は、心配そうに顔を歪ませていた。
見ず知らずの相手に、なんでそんな感情を抱ける…?
な、んで、、……
To be continued.

















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。