前の話
一覧へ
次の話

第1話

1 . 好きな人の隣
765
2023/12/25 08:25




















































chan
  ひょん、
jihoon
chan
  本当にいいの… ?  
jihoon
  うん  
chan
  … 後悔、してない?  
jihoon
  してないよ  
chan
  そっか…  







































18:00




窓から外が見える席で
弟のちゃなと珈琲を飲んでいた


店内には今日という日にぴったりの
軽快なリズムで華やかなバラードが流れている


周りを見れば楽しそうな恋人達ばかり


特別な日に愛しい人の隣で共に笑えるのは
どれだけ幸せなことなのか
世の中の人々は分かっているのだろうか

























chan
  …ひょんはいつからブラック飲めるようになったの?
jihoon
  高校3年の時  
chan
  ぇ、!?  
chan
  僕、今高校3年生なんですけど…  
jihoon
  飲んでみるか?  
chan
  うぅ゛っ… 苦そう、
jihoon
  俺が飲めたんだからちゃなも飲める  
chan
  …じゃあ、、ちょっとだけ、
chan
  …… !?  
chan
  にがっ!!?  
jihoon
  ちゃなにはまだ早かったか ㅋㅋ  
chan
  いや、え?苦すぎない?  
chan
  ひょん、よくこんなの飲んでるね…  
jihoon
  大人ってやつだよ ㅎ  
chan
  大人…
僕も早く飲めるようになりたい〜
jihoon
  頑張れ ㅎㅎ  




















今高校3年のちゃなは毎日勉強に追われる日々で
俺と同じ大学へ新入しようと頑張っている


だから今日だけでも、外へ連れてあげたかった
たまには息抜きしないとだし


でも、正直この店にはもういられなくなってきたな
恋人達が増えてきて甘いムードが漂う店内で
ただの兄弟が2人でいるとか虚しくなるから




















jihoon
  そういえばさ、ちゃな恋愛してないの?  
chan
  え!?きゅ、急に何を聞いてくるんですか!?  
jihoon
  いや、だって今日クリスマスだぞ?  
もう彼女の1人や2人いるだろ
chan
jihoon
  ……… マジで?  
chan
  …もうっ!ひょんのぱぼー!!  
jihoon
  ごめんごめん ㅎㅎ  
jihoon
  まさかいないとは思わなかったから ㅎ  
chan
  …喧嘩売ってます?  
jihoon
  ㅋㅋㅋㅋ  












2人で珍しく恋愛話をしていた時
店内に入ってきたカップルが席を探している


周りを見渡すと、席は満席だった


なら丁度いいか
もうこの空気感から抜けよう
















jihoon
  ちゃな、もう出るか  
chan
  え?…ぁ、了解です!  










急に俺がそう言ったから疑問に思ったのだろう
でも周りを見渡してみて、
あのカップルに気づいたように
ちゃなは笑って了承してくれた


さすが俺の弟だ







































































chan
  うわ… 寒すぎる、
jihoon
  なんで手袋はしてきたのに
マフラーはしてきてないんだよ ㅎ
chan
  失敗した…  
jihoon
  しょうがないな ㅎㅎ  
chan
  え、いいよ!
ひょんが風邪引いちゃう!
jihoon
  何言ってんだよ、受験生の方が風邪引いちゃ駄目だろ ㅎ  
jihoon
  試験近いんだから  
chan
  ひょん… ありがとう ニコ  
jihoon
  おん ニコ  










変なところで抜けてる弟に
自分が着けてたマフラーを巻いてやった


試験はもうあと1ヶ月もない
尚更風邪なんか引いちゃ大変だ








chan
  ねぇひょん!あっち行こうよ!  
jihoon
  あっち… ?  
chan
  なんかさっきから、周りの人達があっち行ってるから何かあるのかなって!
jihoon
  確かに、行ってみるか!  
chan
  うん!  











ちゃなが指さした方へ歩いていくと
だんだんカラフルな光が点々と見えてくる
それと同時に沢山の人々が笑っていた












chan
  うわぁ… !!
ひょん見て!イルミネーションだ!
jihoon
  … 綺麗  
chan
  ね!  










今日一番の笑顔ではしゃぎながら
写真を撮るちゃなを追いかける


楽しそうだな ㅎ


やっぱり連れて来てよかった












chan
  ひょん!このツリー凄くない!?  
写真撮ろ〜!
jihoon
  … ッ  
chan
  ひょん… ?  
jihoon
  !… ぁ、
chan
  どうしたの?  
jihoon
  いや、なんでもない  
いいよ、撮ろ
chan
  … うん!  















星が散らばった夜空をバックに
キラキラと輝く綺麗すぎるツリーが


俺の想いを無視して、彼奴の顔を思い出させる


あぁ… 最悪だ
必死に思い出さないようにしてたのに





































chan
  ひょん、僕飲み物買ってくるね!  
jihoon
  おう!  

























  あの、すみません  
jihoon
  はい… ?  
  写真撮ってくれませんか?  
jihoon
  ぁ、はい、いいですよ  
  ありがとうございます!  










端の方で立ってちゃなを待っていたら
美男美女のお似合いカップルが
写真を撮ってほしいとお願いしてきた


彼氏の方のカメラを受け取って
後ろのツリーも写るように3枚ほど撮る


レンズ越しの写真でも分かるぐらい
幸せそうな表情で笑う2人は


本当に綺麗だと思った


この2人にはゴールインしてほしいな
なんて、初対面の人に何を思ってんだか











jihoon
  どうですか?  
  ぇ、凄い!めっちゃ良い感じです!  
  ありがとうございます!  
jihoon
  いえいえ、よかったです  
  本当にありがとうございます!  
では!
jihoon
  はい、楽しんで ニコ  































































jihoon
  … はぁ  

















やっぱり、かっこいい人の隣には
その人に見合うほどの人がいるんだな


なら、俺はかないっこないか


彼奴の隣に俺は似合わない


この目の前のツリーよりも眩しい笑顔を
持っている彼奴は


俺の 太陽 だった


あんなに好きだと思える人がいたんだ
と最初は驚いたけど


今となっては
もうこの恋が最後なんじゃないか
この人以上に好きになれる人は
これから現れないんじゃないか


そう思うようになってしまった


惚れすぎたな、ほんと













jihoon
  やっぱり誘えばよかった…  













今日という特別な日に


彼奴の隣にいたかった
彼奴の隣でいつもの様に笑いたかった


でも、誘えるわけない


彼奴には好きな人がいることを知ってるし
それが俺ではないことは分かってるから


だから今日だけは、その好きな人と
幸せな時間を過ごしてほしい


あ、でも彼奴のことだから
誘えてないかもな ㅎ
意外と奥手だし ㅎ































jihoon
  … ?  










何だか周りの人からチラチラ見られてる気がする


ぇ、俺なんかついてる?


変な格好してるか?












そう、顔を触った時













jihoon
  !!  










あ、… なるほど


目と頬が冷たい水で濡れていた




















jihoon
  なんでっ、意味わかんないッ  













意思とは反対に
自覚したらどんどん溢れてくる涙に


自分で困惑していた


でも、今まで耐えてきたこの気持ちが
涙と共に切れて一気に溢れ出てくる


















会いたい


あの人に会いたい


好き って言いたい


なんで俺じゃないの?


俺はずっとずっと見つめてきたのに


あの人のことしか見えないのに


こんなに好きになって


苦しくなるなら


出会わなければよかった


なんで俺と同じ大学を受験したの?


なんでいつも俺に構ってくるの?


好きな人がいるなら期待させないでよ


これ以上、俺の心を奪わないでよ


































jihoon
  … 好きだよ、ばか  


















彼奴の思わせぶりな態度は
毎回俺の期待を破っては心に傷を作る


本当に最低だと思うけど
そんな彼に今だって
「 もしかしたら来てくれるんじゃないか 」
って心が勝手に期待して自惚れてしまう


彼奴はどんな人にも優しいから
実際勘違いしてしまう人だって多い


どこまでも罪な男だよ











でもね、
どれだけ彼のことを嫌いになりたくても
なれないんだ


何をしてても頭の中には彼奴がいて


俺の心は彼奴を必要としてる






好きなんだ







この想いはきっとこの先変わることは無い


いつまでも俺の人生において
" 一番愛してた人 " として
心の中に残っていくのだろう


、、切ないな























jihoon
  ッ… さむっ  












ちゃなにマフラーを貸してしまい
俺はダウンしか防寒のものを着ていない


流石にずっと立ってると
冷気が押し寄せてきて寒くなってくる


あ〜… ちゃな早く帰ってこないかな










ホットココアが飲みたい
































































jihoon
  ッ …!?  
jihoon
  ぇ、、




















突然頬に温かい何かがピトッと当てられ
驚き後ろを振り向くと


ホットココアを手に持って
俺の反応に笑ってる大好きな人がいた


いや、、なんでいるんだよ!?
タイミング良すぎるだろ!


そう頭の中でつっこむけど、
心は嘘をつけなくて


胸がどんどん脈打っていく





こいつが俺が恋しく思っていた


くぉんすにょん だ
































soonyong
  じふな、ホットココア好きでしょ?  
soonyong
  冬になるとよく飲んでたよね ㅎ  
jihoon
  ぇ、、あ、りがと  
soonyong
  うん!  
jihoon
  …なんで、ここにいるの  
soonyong
  ……  












そう尋ねると少しの沈黙が流れる
俺の目を見るその眼差しは
なんだかいつもと違う気がした


真剣というか… 本気というか


俺は耐えられなくて咄嗟に目を逸らす


手の中で広がる温かいホットココア


覚えててくれたんだな


それだけでこんなに嬉しくなる


そんなことを考えていたら
すにょんがやっと口を開いた





















soonyong
  好きな人に会いたくて  
jihoon
  …っ  













好きな人…か


ってことは、
すにょんの好きな人がここにいるんだ


少しでも、もしかしたら…
って勝手に期待してた自分を恨みたい







最悪だ


会いたくなかった


すにょんの好きな人がここにいるなんて
どんな偶然だよ


もしかして神様が
俺に現実を突きつけようとしてるのか?


やめてくれ


せっかく会えたのに…


こんな特別な日に























jihoon
  そうなんだな  
jihoon
  その好きな人は今一人なのか?  
soonyong
  いや、誰かといる  
jihoon
  彼氏?  
soonyong
  ううん、違うと思う  
jihoon
  けど、男なんだろ?  
soonyong
  そうだね  
jihoon
  な、なら、彼氏じゃないんだったら  
きっと付き合う前なんじゃない?
jihoon
  いい感じになってるんじゃないの?  
ほら、両片思いみたいな
jihoon
  なら邪魔しちゃ駄目だろ  
jihoon
  俺はすにょんの恋を応援してるけどさ  
好きな人の為だろ、諦めろ
soonyong
  じふな、ッ?  
jihoon
  だから、お前は行くべきじゃない  
jihoon
  会いたい気持ちは抑えて  
ここにいろ
soonyong











あぁ、俺何言ってんだよ


すにょん下向いちゃった
絶対傷つけた…


すにょんが俺に振り向いてくれないから
って、酷いこと言って
すにょんを傷つけて


こんな俺は最低だ
振り向いてくれる訳が無いだろ


でも俺の口は吐き出したら止まらなくて


視界がだんだんぼやけていく

















jihoon
  そんなにその人が好きなのかよ  
jihoon
  今まで一緒に過ごしてきたのに  
jihoon
  なんで… っ
なんで俺じゃないんだよ!!
jihoon
  俺の方がッ、俺の方g  














その瞬間、身体が温もりに包まれた
















jihoon
  … へ、  
soonyong
  じふなごめん、本当にごめん  
soonyong
  そんなに苦しい想いさせてるなんて思わなかった
soonyong
  …好きだよ  
soonyong
  じふなが好きだ  
jihoon
  …は、っ!?  









嘘だ、、


本当に?本当に今好きって…











soonyong
  本当だよ
俺はずっとずっとじふなが好き
jihoon
  …なんで分かったの ㅎ  
soonyong
  そりゃじふなの考えてることぐらい分かるよ ㅎ
soonyong
  ずっと一緒にいたんだから  
jihoon
  っ…  
soonyong
  ちょ、じふな!?
泣かないでよ〜 ㅎㅎ
jihoon
  だってッ、だって、すにょんの好きな人が俺だなんて思わなかったからぁ т т
soonyong
  ごめんねぇ…俺もじふなが俺のこと好きだと思わなかった ㅎㅎ
jihoon
  ㅎㅎ  
jihoon
  俺だってずっとずっと好きだよ  
ばーか ㅎ
soonyong
  !?  
soonyong
  ちょ、っと待って…  
今の反則!!//
jihoon
  ふはっ ㅋㅋㅋ  
soonyong
  もう、ㅋㅋ  
soonyong
  じふな  
jihoon
  ん?  
soonyong
  俺と付き合ってくれる?  
jihoon
  もちろん// ニコ  
soonyong
  やったぁぁー!!  
jihoon
  ちょっ、うるさい!! ㅎㅎ  
















































聖なる夜に


俺の恋が叶いました


まだ実感湧いてなくて
夢のようだけど…


好きな人の隣にいられるのは
こんなに楽しくて幸せが溢れる


今まで一途に想い続けてきてよかった


来年も、その先もずっと


すにょんの隣にいられますように























おまけ




























jihoon
  はッ…くしゅんっ  
soonyong
  じふな寒い?
って首元何もしてないじゃん!!
jihoon
  あぁ、ちゃなに貸しちゃったから  
soonyong
  ちょいちょいちょい…  
はい!俺の巻いて!
jihoon
  いいよ
すにょあが風邪引いちゃう
soonyong
  だーめ!
彼女に風邪引かせる彼氏がいるか!
jihoon
  ありがと ㅎ  
jihoon
  …ぇ俺が彼女なの?  
soonyong
  そうだけど、?  
jihoon
  俺可愛くないぞ?
絶対すにょんの方が可愛い
soonyong
  何言ってんだか  
soonyong
  じふなの可愛さは破滅的だからね  
soonyong
  可愛さで人殺せる  
jihoon
  やば ㅎㅎ  
soonyong
  ま!じふなの可愛さは俺だけが知っていればいいんですぅ〜
jihoon
  確かにな  
soonyong
  うん!  
jihoon
  あ、そういえば…  
soonyong
  ん?  
jihoon
  なんで俺がここにいるってわかったの?
soonyong
  あぁそれはね  
chan
  僕がすにょにひょんに電話したんです!
jihoon
  ちゃな、!?  
jihoon
  い、いつからそこに…  
chan
  ずーっと ニコ  
jihoon
  …… 最悪すぎる///  
soonyong
  あは、じふな真っ赤 ㅎㅎ  
jihoon
  うるせぇ!//  
chan
  あ、言い忘れてた  
chan
  ひょんたちおめでとう!!  
幸せになってください!
jihoon
  ちゃな…ありがとな ニコ  
soonyong
  ありがとう!  
chan
  はい!  
soonyong
  ほんと、ちゃなが電話してくれなかったら俺ら付き合えてなかったもん 
chan
  ほんとですよ!
ひょんが奥手だから…
soonyong
  ごめんよぉ т т  
chan
  ま!もともと2人両片思いだったので、少し背中押しただけです!
jihoon
  …ちゃな、後でなんか奢る  
chan
  え!?いいんですか!?  
やったー!
soonyong
  いや〜
ちゃなは恋のキューピットだな
chan
  やばい、なんも嬉しくない  
jihoon
  ㅋㅋㅋㅋ  
soonyong
  ㅋㅋㅋㅋ  
chan
  ㅋㅋㅋ  




















  end .





  皆さん!✧*。🎄𝐌𝐞𝐫𝐫𝐲𝐂𝐡𝐫𝐢𝐬𝐭𝐦𝐚𝐬🎄✧*。
良い一日になりますように🍀*゜




プリ小説オーディオドラマ