ヤンヤンはあなたを抱いて走る
偽アジトを駆け抜けるように経由すると、本拠地へ着いた
アジトに入ると幹部があなた達の帰りを待っていた
ヤンヤンはあなたをソンチャンにパスすると荒々しい呼吸のままその場に崩れ落ちた
その頃にはあなたの意識はほぼ無かったが、あなたはうっすら目を開けた
あなたは1番近くにいたクンに右手に握っていたものを差し出す
クンはそのマイクロチップのような小さな黒い物体を受け取る
クンはこれが何かすぐに理解した
「発信機」だ
あなたは麻薬売りと金を受け渡す際に、彼の袖に極小の発信機を取り付けていたのだ
これを辿れば、奴らの本拠地が分かる
熱すぎる…
あなたの手に触れたクンが呟く
クンに伸ばされたあなたの腕は引っ込められることなく、クンの手の上にだらんと垂れた
そういうとドヨンとソンチャンはあなたを連れて医務室へ消えた
残されたメンバーは、一人の男に目線を向ける
ショウタロウの足元には、彼が捕らえた麻薬売りがいる。
ショウタロウの一撃をくらって気絶している
…重要な手がかりだ
テヨンはみんなを励ますように言う
「威神」
そう呼ばれると神威のメンバーたちの表情が変わる
彼らは麻薬売りを抱えると、
地下に降りていった
医務室
ベッドに横たえられたあなたは苦しそうに口で呼吸をしている
ソンチャンがあなたの赤く火照った顔に氷枕を載せる
呼吸がしやすいように胸のボタンを開ける
あなたの体に刻まれていた無数の傷が見える
普段見せている白い肌とは想像もつかない位の傷にたじろぐ
が、すぐさま我に返ると
素早く採血をしてドヨンに渡す
血圧と体温を計る
頬の小さな傷を探しあてたソンチャン
採血結果を見たソンチャンが小さく驚きの声を上げる
そう言ってドヨンはパソコンに向き合う
ソンチャンはチソンを待つ間あなたの傍で、苦しそうに喘ぐあなたの汗を拭いて
彼の熱い手を握る
どうか間に合ってくれ………!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。