第162話

第160話
195
2026/01/31 09:02 更新
八百万
金属類はこちらへ!
まず整地だ。
峰田
ん!



  復旧作業が本格的に始まり、
  ヒーロー科A組もそれを手伝うことになって
  もう何日目か。

あなた
...ありがとーござい...ます...。
常闇
恥ずかしがることはないだろう。
敬語は皆が使っている。
あなた
そうじゃけどさぁ...。



  復旧作業に関わると、
  必然的に街の人とも関わることになる。


  恐怖を持つ街の人と関わるのは難しくて
  怖がられたり、疎まれたりすることも多い。

  ただそれをできるだけ減らそうと
  敬語と愛想笑いというものを
  覚えようと頑張っている。


あなた
今まで使ってこんかったし...。



  だからA組との会話で敬語を使ってみたり
  しているがこれが中々に気恥しいし難しい。


あなた
...ムズカシーデスネ。
常闇
そうだな。
黒影
カタコト!
あなた
知ってるし。


  なんて、普通の会話を
  最近毎日のように踏陰としている。




  抱きついてしまったのだから
  踏陰にバレているんじゃないかと思うも
  踏陰は何も言ってこないから
  そのまま黙ったままにしている。


  距離が遠のくでもなく、
  急接近するのでもなく、
  多分、緩やかに近くなっている気がする。


あなた
(..........。)


  踏陰がどう思っているかは知らないが
  何となく嫌われてないことは分かる。


  むしろ、特別に思ってくれてるような気も、
  ...しなくはなかったりもするのだ。



  もどかしくて、でも居心地が良い。

あなた
...コレは、金属...デスカ?
常闇
あぁ、八百万に持ってくといい。
あなた
りょーかい!


  多分ずっとこのままなんだろうなと思う。


  どちらも言い出す気は、今のところは無いし。

あなた
百ー!金属ー!
八百万
こちらですわ!



  そうやってゆるゆるとこの恋心が
  育つままに幾らかの時が過ぎていく。
































尾白
あれ、静岡残るの誰だっけ?
耳郎
うちー!
上鳴
おれもー!
あなた
わしもー!



  入学から三度目の春。


  卒業式を間近にするわしらは
  毎日のように寮の共有スペースに自然に集まり
  どうでもいい話をダラダラとしている。


障子
寂しくなるな。
離れ離れになるのは。
芦戸
なんかこっちが当たり前だしねー。
上鳴
毎月集まるのは当たり前として、
遊びに行かね!?
耳郎
前提がおかしい。
あなた
わし遊園地行きたい。
葉隠
卒ディズ!?卒ディズ!?
卒ディズ?
砂藤
ユニバの方が近くねぇか?
そんなこともねぇ?
切島
どっちも楽しそうは楽しそうだな。
爆豪
行かねぇ。
あなた
つまらん男じゃのぅ。
爆豪
あ"ぁ!?
瀬呂
落ち着きなさいよ。
遊園地か。
爆豪も一緒に行こう。
爆豪
話聞いてたか?てめぇは。
あぁ、卒ディズって
卒業記念にディズニー行くんだろ?
蛙吹に聞いた。
麗日
どれも時間さえあれば、
の話になるのが辛い〜。
上鳴
なぁ〜。


  卒業すれば皆ヒーロー活動に忙しくなるし、
  緑谷は先生になると言っていた。


  わしもやることはあるしなぁと
  思いつつ一応楽しみにはしてみる。





  これが叶うほど暇になる頃には
  何歳になっているのだろう。

あなた
(どうしよう。
 ヨボヨボのばあちゃん達で
 ディズニーとか。超楽しいかも。)


  ひとりで楽しくてクスクスと笑っていると
  顔がうるさいと言われてしまう。


  「しょうがないじゃろう」と答え、隣を振り向く。
あなた
踏陰も行くとしたら来る?
常闇
あぁ、誘われれば。
耳郎
あなたが誘わないことないでしょ。
芦戸
確かにー!
あなた
わ〜聞こえない〜。


  耳を塞ぎながら首を横に振る。


  あっという間に3年が過ぎてしまう。

  あっという間に
  この時間が懐かしいものになってしまう。



  やだなぁ、寂しいなぁ、なんて思うけど
  皆それを思っていない風に笑うから
  一緒に笑ってしまう。




  もう一週間後には
  皆かっこいいヒーローを職業的にすることになる。


  もちろん、この人達を職業ヒーローなんて
  肩書きで書き留めることはできないが。





  ケラケラと笑いながら
  響香の方に倒れ込むと三奈も倒れ込んでくる。

  ドミノ倒しみたいになって、
  響香がわしを支え、わしが三奈を支える。

あなた
二人とも連絡必須じゃからなぁ。
耳郎
うちは会える距離じゃん。
芦戸
私は飲みに誘うー!
あなた
アルコールダメじゃろ。


  学生生活が終わる。

  もうすぐ花束と卒業証書を受け取る。


  この生活には戻れない。



  桜が散って、夏には青々しく緑に涼しさを覚え、
  暖かくオレンジ色に紅葉して、葉が散って、
  また桜が咲き ────





  どれだけの季節が巡っても、
  またこう出来ればいい。



プリ小説オーディオドラマ