第13話

8.
797
2021/03/03 08:23

今日も同じ時間に目覚めた。

でも違和感を感じた。

それは、久しぶりの朝の憂鬱感を感じたから。

起きたくない、何もしたくない。

どうしてだと思う?

…君に会うという予定が無いから。

あぁ、僕は一人の人間のせいで

ここまで生活が変わるんだ。
スングァン
スングァン
…起きなきゃ、
それでも時間は待ってはくれない。

いつも通り、家を出る時間だ。
スングァン
スングァン
…行ってきます。
今日は足を踏み出すのも時間がかかる。

…雨だ、僕の気持ちと同じ天気だね。

傘をさして歩き出した。

今日のこの道は、なんて汚いんだろう。

雨だからか…?

いや、違う。

きっと晴天であろうが何であろうが、僕には何もかもが汚く見えてしまうんだ。

この世で1番美しい、君が居ないから。

待ち合わせの場所へ着いた。

でも、今日は待たない。

これ以上待ってると、僕がおかしくなりそうで怖いから。

…それでも目ではつい探している。

あの後ろ姿を。
スングァン
スングァン
…居るわけないか、(小声
自分を馬鹿馬鹿しく思い、急ぎ足で学校へ向かった僕と同じ天気の日。

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