第3話

✉️ もう全てが遅かった【inm】
930
2025/06/23 14:30 更新



※学パロです




inm
 ………♪ 
俺には好きな人がいる
  



今まで一度も恋して来なかった俺の心を、


いとも簡単に奪ってしまった華のような女の子


そんな子と、今年初めて同じクラスになれたんだ
時は二年前

inm
 マナー?紹介したい人って? 
高校の入学式の日





元々仲良かった八人で同じ高校に上がって、


その中でもとりわけ仲のいいマナに


「紹介したい人がいる!」と呼び出された
hbc
 お!来た! 

hbc
 ほい!こちら赤城あなたの下の名前ちゃん! 
赤城、という苗字には聞き覚えがあった



マナの隣にいる少女は、


ウェンと似た雰囲気を放っている
あなた
 ぇっと、赤城あなたの下の名前です! 
 双子の兄がいつも
 お世話になってます…! 

inm
 ぇ、双子なの!?!? 
inm
 (…懐かし) 
まぁ、何でその場にウェンはいないんだとは


思ったけど……どんな形であれ、


あなたの下の名前ちゃんと出会えた事には感謝だ


一年の時は別クラス


二年の時も別クラス


そして運命の三年では、


見事同じクラスになれたんだ
inm
 (はやく来ないかな〜♪) 
出席番号も一番と二番で、席は前後



これからの学校生活に想いを馳せていると、


ガラリと扉が開いて……見慣れた頭が、「二つ」
あなた
 あ!ライくんじゃん! 

あなた
 おはよう! 

kyng
 え、ライいんの? 

kyng
 っしゃ、当たりだわこのクラス 

inm
 いつメンでこのクラスは 
 俺達だけっぽいね?

あなた
 …やっぱ双子って
 クラス離されがちだよね…? 

inm
 それはそう(笑 

あなた
 ……あ!ね、ロウくん! 

あなた
 このゲームの事だけどさ……… 

kyng
 うわマジ? 

kyng
 そこの攻略法全然わかんなかったから 
 めっちゃ助かったわ、さんきゅ
この二人は好みや趣味が合うようで


ものすごく仲が良く、


ウェンによると


二人だけでゲームのグッズを買いに行ったりとか、


コラボカフェとかによく出掛けているらしい
inm
 (……そんなの、ほぼ
 デートみたいなもんじゃん…) 


mob.
 あ、小柳くんだ…… 

mob.
 ほんとだ、話しかけに……
 ってあー…赤城さんいるね… 

mob.
 …小柳くんは好きだけど………
 赤城さんが相手なら、悔しくないわ…(笑 

mob.
 お邪魔虫は大人しくしときますか…! 


inm
 … 
ロウはモテる


人が多い時に登校すれば


一瞬で女子に囲まれるし、


それで十分くらい足止めを食らうこともある





そしてそれと同じくらい、


あなたの下の名前ちゃんもモテるんだ





だからこの二人が仲良くなった時、


付き合ってる説が浮上した


もちろん付き合ってなんてなかったから、


二人はすぐに否定していたけど………




その様子を見ている俺は、


何一つ面白くない
inm
 ね、あなたの下の名前ちゃん! 

inm
 自販機行くの付き合ってよ!
 うっかりお茶忘れちゃってさ〜! 

あなた
 わかった!ついでに私も 
 何か買おうかな〜……

kyng
 じゃあ俺も… 

hbc
 ロウ〜 

hbc
 ちょっと伝えたい事あるんやけど… 

kyng
 …っ、あ〜…わりィ、(笑 

あなた
 しょうがないね(笑
 何かいるものある? 

kyng
 …ぁ〜…じゃ、"いつもの"で 

kyng
 ほい、頼んだ(お金渡 
あなたの下の名前ちゃんの手の上に、


百円玉と五十円玉がポンと置かれる



その際に二人の手が微かに触れて…
kyng
 っ、// 

あなた
 へぁ、えっと……// 

inm
 ………ほら、行くよ!! 
嫉妬の感情が心を支配して、


あなたの下の名前ちゃんの手を握って引っ張った






…二人の顔が赤かったのは、見ないふりをして











あなた
 ん〜と、あった、! 

inm
 ん?それ好きなの? 

あなた
 ううん!この前ロウくんが、
 これ好きだって教えてくれたんだ 

あなた
 その次の日からよく見てたらさ、
 ロウくんいつもそれ買ってるの(笑 
えへへ、と頬を赤らめて


嬉しそうに話すあなたの下の名前ちゃんが可愛い
inm
 ……ね、あなたの下の名前ちゃんはさ 
ダメだ、聞くな




そんな事聞いたって、


俺の望む答えなんか返ってこないに決まってる



それなのに、小さすぎる希望に縋るようにして


口からはポロッと言葉が出てきた
inm
 …ロウの事、好きなの? 
 

















月日が流れるのは早く、


大学受験も無事に終えて卒業式の日になった





俺達八人は相変わらず仲が良く、


バカみたいに騒ぐようなあの関係が、


今もずっと続いている
inm
 はぁっ、はぁっ…! 
シンと静まり返った校舎の中を、


息を切らしながら駆け回る






…自販機の前で聞いた言葉の答えは、


返ってくることは無かった

 



戸惑うような声が聞こえたと共に、


予鈴のチャイムが鳴り響いたからだ





もしかしたら、


そこでハッキリとした答えが返ってきていたのなら
inm
 …諦めれてたかもしれないのに…(笑 
さっき、あなたの下の名前ちゃんが校舎の中に


入っていくのが見えたから、必死に探し回る
    



最後のチャンスだ




図書室にも体育館にも、教室にもいなかった



ふと窓の外の中庭を見てみると…
inm
 …!いた、 
探し求めてた、恋焦がれている女の子、と…



kyng
 ーー好きだ 

kyng
 …俺、と……付き合ってください、// 

あなた
 ………っ、! 

あなた
 私もっ、ずっと好きだった…! 

あなた
 よろしくお願いします……っ!// 




inm
 ………… 
桜の舞う世界の、桜の木の下で、


二人の男女が結ばれた
inm
 …おめでと、!二人とも!(笑 


kyng
 …はっ!?// 

あなた
 嘘、見てたの…!? 

inm
 見ててもどかしかったんだからさー! 
 絶対!!幸せになるんだよ!?
醜い本音と、


ドロドロとなった恋心を笑顔の下に隠して


祝福の言葉を投げかける

inm
 (……嗚呼) 
胸が締め付けられる程に痛い



心臓が、悲鳴を上げている



あなた
 ウェンにも知らせなきゃね〜?(笑 

kyng
 うわ、めんどそ(笑
 あいつシスコンだもんな 
互いに絡みついた二人の指



明らかに近くなっている二人の距離



俺に向けるのと全然違う、二人の甘ったるい目



素直に喜ぶ事が出来ない



あなたの下の名前ちゃんが、ロウが、こんなにも幸せそうなのに


俺は自分で思っているより、


彼女の事が好きだったのかもしれないな





……え、こんなんで大丈夫なんですか………??






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