前の話
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耳鳴りがする。頭が痛い。視界が揺れてる。
温度も感じない。
私は、「壊れて」いた。
とある夏の日、私は一人で学校から帰っていた。
すれ違う人の私を見る目がおかしい。
ヒソヒソ話をしている人もいる。
正直気分が悪い。
横断歩道で待っていると、50歳くらいの女性が話しかけてきた。
「あなた、ノイズがかかってるわよ。」
意味がわからない。詳しくはないが、ノイズとはたまに画像とかにかかってるあの四角いやつだという事を私は知っていた。
「何があったのかは知らないけど、きみが悪いわ。」
そう言ってその人は去っていった。
理解ができない。人間にノイズがかかるって何?
そう考えているうちに家に着いた。
部屋の鏡を見る。
確かに、自分の体にノイズがかかっていた。それも服ごと。
私、小柳由依。何かが壊れ、何かを失いました。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。