僕たちが新しいPDさんの話を伝えたあの日
急に青ざめたあなたは
次の日からしばらく現場に顔を見せなかった
今考えれば当然だ
あの時の僕たちの会話は
決してあなたに対して
肯定的な態度じゃなかったんだから
あなたの肩に伸ばした震える手が
行き場を失う
こっそり楽屋を抜け出してたってことは
僕たちにバレたくないってことだよね、
なのに今更気づいてしまって
どんな顔をすればいいんだろう
あなたはこれからも
僕に今まで通りの笑顔を向けてくれるだろうか
答えの出ないまま
この場から逃げようとしたのが間違いだった
ガタッ______________.
バレないように
この場から立ち去ろうと引いた右足が
何かに当たってしまった
その瞬間、勢い良く振り返ったあなたと
バチッと音を立てて目線がぶつかる
口篭るあなたを見ていられなくて
今までどんな思いで隠してきたのか考えると
自分まで苦しくなってきて
その苦しさを紛らわせるように
胸いっぱいに大きく酸素を吸い込んだ














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。