オッパの手がお腹に伸びてきてそっと触れた。
あれ…止まっちゃった…
がっかりした顔をしたオッパが気を紛らわすようにまたピアノを弾き始める。
またポコッとお腹の中で蹴られる。
また伸びてくる手。
ピアノの音が始まるとまたポコポコ動き始めた。
提案通り手を伸ばしたオッパが、ふふっと笑った。
何気なく言ったら、オッパが少しだけ泣きそうな顔をする。
ピアノを弾く手を止めて、オッパが両手でお腹を撫でる。
それに応えるかのように小さくポコッと反応した。
コツン、とおでこを小突いてオッパが店員さんを呼んだ。
おぉ、買うんだ
すっかり大きくなったお腹に手をやり、小さく囁く。
聞こえたのか、店員さんが頬を染めた。
すいません、バカップルで…
そう思いつつ、嬉しさで顔が緩んだ。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!