古くなった第二視聴覚室の時計を見上げて与野くんが呟いた。
ガラガラ
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さっきの奥野くん…なんかいつもと違ってた…。
寂しいからかなって思ったけど…
『…お前のっ…こと…//』
もしかして奥野くん…っ…。
トクン。と胸が鳴ったのを自分自身で誤魔化した。
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トイレから戻ってくると、
第2視聴覚室の前の廊下で1人、窓の外を眺める国本さんの姿が見えた。
失ったものは…取り戻せないんだもんね…。
悩んでいた国本さんの顔が、少し晴れた。
…そうだよ。
失ったものは取り戻せないけど…
残されたものを育むことはできる。
あれって結局誰かまでは教えてくれなかったよねっ…
『ふざけんな!!!あんた、人の命なんだと思ってんの!?人の人生なんだと思ってんの!!!』
なんか、恥ずかしい…。笑
あんな勢いで言っちゃったことが、
私じゃなきゃダメだった。なんて。笑
私も。国本さんがいてくれて、国本さんに会えて話せて…本当に良かった。
そう言おうとしたけど
終わりみたいになっちゃう前に、言わないでおいた。
にっこり笑った国本さんの優しい顔を見て、私も微笑んで返した。
















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!