第2話

プロローグ/第1人 水より浮かびて
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2024/10/05 17:46 更新
浮かんでいく。
深い深ふか ふかねむりの底にしずんでいた
ボクの意識いしきが浮かんでいく。

突然現とつぜんあらわれた物体ぶったい水中すいちゅうながめ。
手をばし、つかもうとして、
その物体ぶったいつかもうとするを止めた。
ーーあぁ、ああ。


空気くうきが。
ひかりが。
こえが。
幾年月いくとしつきて感じられるそれらが、
いまはただただ強い刺激しげきでしかなく。

いまうつろのカーテンにざされ、
青くかがや水中すいちゅうにいる
ボクの意識をこじけていく。

「ーーぐっ!?ごほっ、ごほっ!」

ゆるやかにおとずれた目覚めざめは、
突然とつぜん違和感いわかん……いや、
呼吸こきゅう出来できない水中すいちゅうの中でり出された。
「ーーぐっ!ごぼ、ごほ!?」
 ( ーーなんで!水中すいちゅうの中にボクがいる! )
呼吸こきゅうができない。
呼吸こきゅうを一つしようとするたび、
みずが口の中にはいみ、背筋せすじに冷たいものが走る。

まるで死神しにがみ背中せなかでられているかのように。
これは……そう、命をけずっているような感覚かんかくだ。
こわれそうなほどきし臓腑ぞうふ
悲鳴ひめいを上げる生存本能せいぞんほんのう
( ーー何度なんど経験けいけんしても、は、こわい。)

( ーー何度なんども……何度なんど経験けいけんしても? )
呼吸こきゅういた。
指一本ゆびいっぽんうごかすことさえいやなほど憔悴しょうすいした、
身体しんたい水中すいちゅうの外にげ出した。


ーーザバアァアア!!


「ーーごほっ!ごほ!」


みずを口からき出し、
自分じぶんが入っている湯船ゆぶねを見つめる。
「ーーきましたか?」
ようやく周囲しゅういに気をくば余裕よゆうができた時、
すぐちかくでおとこの声がした。
「…………」
視線しせんを向けると……よく知っている
浮遊ふゆうしている機械きかいがいた。

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