先生「朝、ホームにいましたよね?」
まな「あ、はい、いました。覚えてる
んですね。」
先生「そりゃ覚えてますよ笑 自分の学
校の生徒ですから。」
まな「でも高1と関わったことないです
よね?一回で顔覚えられるんです
ね!」
先生の顔が赤くなった気がした。
先生「ま、まあ、そうですね。」
まな「どうしたんですか?」
先生「いや、なんでもないです。気に
しないでください。」
まな「先生はどうして女子校の先生を
してるんですか?」
先生「うーん、そうですね、共学とか
男子校よりも清潔なイメージがあった
からですかね。
でも、こんな質問されたのは初めてで
す。
みんなはどうして先生をしているのか
を聞くんですけどね。」
まな「そうなんですか。私も先生にな
ってみたいなって思ってるので、先生
をしている理由は分かります。」
この先生、なんか私と距離置いてる?
喋り方が人を寄せ付けない感じがす
る。
しばらく歩いて私の住んでいるマンシ
ョンの前に着いた。
まな「このマンションです。」
先生「えっ僕もこのマンションに住ん
でますよ。」
まな「えー!めっちゃ近いじゃないで
すか⁈すごい偶然!」
先生「そうですね。」
先生はそれほど驚いている様子はな
い。
こんなイケメンな先生と同じマンショ
ンに住んでるなんて信じられないな。
一緒にエレベーターに乗り、先生は10
階で降りた。
先生「ではさようなら。これからはイ
ヤホンの使用は注意してください
ね。」
まな「はぁーい。先生おやすみなさー
い」
なんか、10分くらい一緒にいたのに全
然仲良くなれなかったな。明日はホー
ムで話しかけようかな。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!