純白のドレスに身を包んだあなたは、
控室の大きな鏡の前に立っていた。
いつもきゅっと結んでいた髪は綺麗にアップにまとめられ、ウェディングベールが優しくかかっている。
身長は相変わらず小さくて、
ドレスのサイズを合わせるのが大変だったけれど、
鏡に映る自分の姿は、
かつてネグレクトの暗闇の中で震えていたあの頃が嘘のように、幸せな光に満ち溢れていた。
(中1で死んじゃって……ゆあになって。絶望だらけだった僕の人生に、リオラがもう一度光をくれたんだよね……)
ガチャリとドアを開けて入ってきたのは、
タキシード姿のリオラだった。
いつもの配信者のノリはどこへやら、
髪をきっちりセットして白いタキシードを着た彼は、
驚くほど大人の男性格好良さを見せている。
だけど、あなたのドレス姿を見た瞬間、彼は高校生の頃と変わらないくらい顔を真っ赤にしてフリーズした。
あなたはぶかぶかじゃない、
自分にぴったりに仕立てられた
ドレスの裾を少し持ち上げて、
トコトコとリオラの元へ歩み寄る。
そして、彼のタキシードの袖を、
あの出会った頃から変わらない癖でぎゅっと
握りしめた。
あなたが真っ直ぐに愛を伝えると、
リオラは愛おしさが限界を突破したように
優しく微笑んだ。
あなたの手を大きな手でぎゅっと握り直す。
扉が開くと、
そこには温かい光が満ちるチャペルが広がっていた。
バージンロードの先には、実の娘のように
涙を流して喜んでくれているリオラの両親。
そして、ずっと二人を支えてくれた、
たくさんの友人たちの祝福の拍手が響き渡る。
満天の星空のようにキラキラと輝く
ウェディングロードを、二人はしっかりと手を繋ぎ、
未来のその先へと歩み出した。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!