既に夜は明け、昼に差し掛かろうとしている
らしい
目が覚めると、周りには殺風景な部屋が広がって
いた
どうやら警察署の牢屋に閉じ込められている
みたい
鉄格子の先には、この街の警察署長がいる
街に来る前に少し調べていたから、各組織の
トップは把握済だ
彼がそう言うと、後ろで突然火花が散った
ビリビリ、と音を立てて出てきたのは、この街の
市長だった
私以外の3人はまだ寝たきりで、一向に目覚める
気配がない
彼は私が何度問いかけても、教えてくれなかった
暫くして、誰かの声が聞こえてきた
姿を見なくても分かる
私が前まで尊敬していた人達の声だ
牢王先輩に刃弐先輩
…そして、元署長
レダー先輩、芹沢先輩、音鳴先輩、そしてあの
ロボットの姿は見えない
山下は後ろにある椅子に座り、聞く体勢を整えた
…どうやら、嘘をついたら私達の命は無いと
思った方がいいらしい
馬ウアーは、銃を手に持っている
彼はそう言い、私を見た
私は、彼から先輩達へと視線を移した
刃弐先輩と目が合い、少し気まずくなって
床に視線を落とした
彼はそう言って、何かにメモを取り始めた
後ろでは、山下が誰かに電話を掛けている
すると、床に置いてあった武器を手に持ち、私に
見せた
あまり口を開きたくなかったが、逆らうと
面倒くさいことになると思い
私は仕方なく答えた
正直言って、私もあの武器商人について詳しく
分かってはいない
「1000万円払えば、ここにある好きな武器
幾らでも持って行っていい」
と言われ、その言葉通りに武器を買っただけだ
私はその後も、彼からの質問に答え続けた
途中先輩達の視線が痛いこともあったが、
なんとかその場を凌ぐことができた
丁度電話が切れたのか、山下が馬ウアーの証言を
訂正した
まぁ、こうなってしまうことも視野に入れていた
…だって、私なんかが先輩達に敵う訳がないから
まだ眠っている3人には申し訳ないけど、私は
黙って頷いた
このメンツならいける。と少しでも思って
しまった自分がいる
隣町に帰ったら、彼等の罪も全て私が受ける
ことにしよう
…署長に頼まれたのは、私だけだから
俯きながらそう言うと、横から先輩に小声で
話しかけられた
何で、バレてっ……
隠し通していたはずなのに…
すると、牢王先輩が馬ウアーに向けて話した
山下と馬ウアーは快く認め、部屋から出て行った
この部屋に残ったのが私達だけだと確認した後、
夕コ先輩が私の前にしゃがみ込んだ
夕コ先輩は、当時体験だった私に優しく接して
くれた時のように話した
目からはポロポロと涙が溢れてくる
2人も夕コ先輩と同様に、その場に座った
先程とは違い、頭の高さが同じなので目が
合いやすい
すると、私の言葉を遮るように電話が掛かって
きた
スマホの画面を見て、腰を抜かしてしまった
…ロスヨントスの、現署長からだ
震える手でなんとか電話に出て、スピーカーに
した
スマホを地面に置き、先輩達にも聞こえやすい
ようにする
…私、これからどうなってしまうんだろう













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。