恋人つなぎに変更
異形郷を離れると
私達の国土の森にすぐ辿り着く
繋いだ手の先に彼女がいることが未だに信じられない。
ただ、繋がっている手は死人のように冷たく
袖口からは痛々しい縫い目が覗かせていた。
彼女の雪のように真っ白で美しかった髪は
赤黒い血が、染まり始めていた。
そして、藍色の目も、
右眼から血を流していた。
その片方はもはや亡き者にされていた。
これが異形化、なのか?
気が狂ったのか?
彼女はそう言って、私の頬を触りながら、うっとりと笑った。
目の前にあるのは私達の領土の門
あぁ、素晴らしい
彼女を連れて、またここを通れるとは
通りの真ん中を歩くと、人は皆こちらを振り向く
総統である私が通っているから、というのもあるが
本命は彼女の方だろう。
死んだはずの女がここにいる。
しかも、その女を私が引き連れているのだ。
驚くも当たり前だろう。
人の目に当てられることに慣れていない彼女は、私の手を強く握る。
大丈夫だと伝えるように、しっかりと握り返す。
彼女は、私の腕にぴったりとくっついた。
そして、いざ、
それはまるで奇怪の後のような












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!