第19話

~ 19話 ~
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2025/11/06 08:00 更新
























教室の鍵が開けられ、先輩 に抱きしめられたあと ……





しばらくの沈黙のなかで、俺の震えは少しずつ収まり、

やがて静かな呼吸を取り戻した



先輩 は俺の濡れた制服に気づき、

自分の持っていた体操服を取り出した

j.p.
…… これ、着替えな?風邪ひくから
y.a.
…… 、うん …


誰もいない教室



先輩 は目を逸らして背を向けたまま、

俺が着替え終わるのを待っていた



数分後、制服を脱ぎ体操服に袖を通した

y.a.
… ッ 、終わった


そう声をかけると、先輩 はそっと振り返った

j.p.
…… その服、大きいな( 
y.a.
先輩 のですし … 、


会話はそこからぽつりぽつりと始まった



放課後に呼び出されたこと、呼び出された理由、

あの女子の言葉、暴力、水 ……



さっきの出来事のすべてを、ゆっくり話した

 



先輩 は隣に座り、ずっと俺の背をさすってくれた



時に拳を握りしめ、

時に悲しげに眉を下げながら、ただ静かに聞いていた

y.a.
それで … 最後に言ってたんですけど、
先輩 が俺を好きだから振ったって ッ(


言葉の最後は震えていた

y.a.
先輩 の、好きな人 …… 


聞きたくて、でも聞きたくなかったこと



でも、今しか聞けない気がした



 

俺は躊躇いつつも、先輩 を見つめた

y.a.
… 先輩 の、好きな人って …… ッ


その瞬間、先輩 はそっと目を伏せて言った

j.p.
ごめん …… 
ほんとに全部、俺の責任なんだ


先輩 はそう言って軽く頭を下げた
























── じゃぱぱ side





ある日の放課後



後輩に呼び出されたんだ

j.p.
…… 、なんの用?


その子はなかなか喋らなくて



どことなく緊張してる様子だった

j.p.
ん ~ 、黙ってたらわかんないな ~ ぁ( 


俺はその子が話し出しやすいように、

なるべく柔らかい雰囲気をつくった



その子は決心がついたようで、

俺のことを真っ直ぐ見つめてきた

.
… 、わたし、
先輩 のことが好きなんです ッ 、!! /
.
しっかりしてて、優しいとことか … /
j.p.
ぇ … 、ッ( 


俺はどうしたらいいか分からず、混乱状態





まさか告白だとは思わなかった



その子は話し出したら止まらない、そんな子だった

.
たまに見せる笑顔とか … 、かっこよくて、/ /
.
ッ … 入学式の時に一目惚れして、
この人しかいない!って思ったんです、
.
なので、ッ … 付き合ってください ッ ッ! /
j.p.
ッ …… 、


小さい頃から俺はモテるほうだった





女の子から告白されるのもしょっちゅうで、

その度に断り続けた



その子のことを、

心の底から大事にしてあげれる自信がなかったからだ





この日もいつものように、断ろうとした





でも、頭に浮かんできたのは ゆあんくん で ……

好きと自覚してから、ことある事に浮かんでくる



それほど、俺は ゆあんくん の虜になっていた

.
… 、先輩?
j.p.
、あ … ごめん
j.p.
俺、君の気持ちには応えられない
.
ぇ … 、ッ
.
な、なんで?!
j.p.
… 、好きな人がいるんだ
.
ッ ッ …… うそ、
私よりその子の方が可愛いの?!
j.p.
…… うん、世界で1番かわいいかも
.
は ッ …… ふざけんな、誰なのよ、!!


さっきまでの性格がなかったかのように、

その子は暴れだした





しかも相手を聞かれ、言うべきか悩んだ



でも、ごまかしたくなかった

.
教えなさいよ、ッ!!
j.p.
…… ゆあんくん 、って子


言った瞬間、女子の顔色が変わった

.
ッ ッ … 、なんで、なんであいつなの ッ
.
…… 陰キャの癖に、ッ … 最低、


その一言だけを残し、その子は去っていった
 


俺がそうした結果が、これだった























j.p.
ゆあんくん を守るって決めたくせに、
俺 … なにやってんだよ


悔しさと後悔で喉が詰まる

j.p.
…俺があの子に名前なんて言わなければ、
こんなことにはなってなかったかも …
y.a.
でも … ッ 、


ゆあんくん が、そっと俺の手に自分の手を重ねた

y.a.
… 先輩 の好きな人って、
ほんとに …… 俺なの? /


その声は、震えていたけど確かな強さがあった



俺は思わず息を飲み、顔を逸らしたまま



ぽつりと呟いた

j.p.
… うん、…… ゆあんくん 、だけど?


途端に沈黙



けれどその沈黙の中で、

ゆあんくん の瞳からぽろぽろと涙が落ちた

y.a.
… あれ、ッ?
なんで泣いてんだ、俺 ……(
j.p.
… 、嫌だった?


俺はなるべく優しく尋ねる



ゆあんくん は首を横にぶんぶんと振った



否定の仕草が、まっすぐで真剣だった

 



俺は、ふっと笑った

j.p.
こんなに守りたいって思ったの、
ゆあんくん が初めて(


その目をまっすぐ見つめて、俺は真剣な声で言った

j.p.
… 俺と、付き合ってください


その言葉を聞いた瞬間、ゆあんくん は泣き笑いのまま

勢いよく俺に抱きついてきた

j.p.
ッ 、うお っ ……?!お、おい …!


ドサッと後ろに倒れた俺の上で、

ゆあんくん は抱きついたまま、顔を俺の胸に埋める

y.a.
 …… お、お願いします … / /


小さな声で、けれどしっかりとその言葉は届いた



 

俺は倒れたままの体を起こし、

ゆあんくん と正面から向き合った



そして、そっとその額にキスを落とした

j.p.
…… 大好きだよ、ゆあんくん( 


その声は、自分でも思うほど優しくて、

強くて、真っ直ぐで ……



ずっと俺が、…

ゆあんくん が欲しかった本物の愛情だった

 



やっと、ここまで来た

 

やっと、お互いが想いを重ねられた

 

この瞬間を、永遠に閉じ込めたいと思った























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