仕事を終えて外に出ると、夜の空気が肌にまとわりついた。
街灯の下を歩きながら、深くため息をつく。
仕事を終えて外に出ると、夜の空気が肌にまとわりついた。
街灯の下を歩きながら、深くため息をつく。
やるべきことはこなしたはずなのに、胸の中は空っぽだった。
人混みの笑い声が遠くから聞こえてくる。
誰かと飲みに行く気力なんて、もう残っていない。
口に出した途端、情けなくて足を止めそうになった。
イヤホンを耳に差し込み、無作為に再生ボタンを押す。
流れてきたのは、巡音ルカの「君の夜をくれ」だった。
落ち着いた低めの声が、静かに、けれど確かに私の心に触れてくる。
__「夜に迷ってもいい、弱さごと抱えていい」
そんなふうに言われた気がした。
思わず問いかける。もちろん、答えは返ってこない。
けれど、不思議と涙が込み上げてきた。
声を震わせながら、夜道で誰にも聞かれないように呟く。
その瞬間、胸の奥にあった重石が少しだけ溶けていくような気がした。
ルカの歌声は、まるで私の夜を抱きしめてくれるようだった。
今日も明日も、この孤独な時間を越えるために。
私はもう一度歩き出した。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。