休日の昼下がり。
部屋のカーテンを半分だけ閉めたまま、私はぼんやりと画面を眺めていた。
音楽アプリを開いても、どれを聴く気にもなれなかった。
そんな言葉が口をついて出る。
何となく流した再生ボタンから、激しいリズムが飛び込んできた。
MEIKOの「悪食娘コンチータ」。
最初の一音で、空気が変わった。
怒りにも似た歌声。
狂気にも近いほどの情熱。
まるで、今まで押し殺していた感情を無理やり引きずり出すようだった。
圧倒されて、息をのむ。
怖いのに、目が離せなかった。
欲望も後悔も、全部抱え込んで歌うその声が、どうしようもなく美しかった。
胸の奥が、じんわりと熱くなった。
何かが動き出すような、そんな感覚。
静かに燃えるような熱が胸の奥に残る。
ルカの夜が“優しさ”なら、MEIKOの昼は“衝動”だった。
気づけばそんな言葉がこぼれていた。
カーテンを少し開けると、光が差し込んだ。
埃の舞う空間の中で、音楽はまだ鳴っている。
混沌としていて、でも確かに生きているような世界。
その中で、私の心も少しだけ動き出していた。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!