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第14話

十二話:訳と決着
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2024/07/02 08:06 更新
バシュッ、バシュッ、バチンッ!!
奏夜
奏夜
フーッ、
朱玲
朱玲
ック、
なんなんだ、なんなんだこいつは。

朱玲は頭の片隅で、そんなことを考えていた。
彼の事を外へ引っ張ったと思ったら、奏夜は何も言わずに続きを初め出したのだ。

傍から見れば、意味不明な行動である。

―――
十亀条
続き...やろっかぁ
桜遥

同時刻、オリの中では皆が見守る中で、桜と十亀がケンカをしていた。

―――


ドカッ、ドカッ、ズザァァ...
朱玲
朱玲
...ハァ、ハァ、
奏夜
奏夜
...動揺、してますね
朱玲
朱玲
奏夜
奏夜
気になるのは、
俺が貴方を連れ出した理由ですか?
十亀さんと桜さんの試合の行方ですか?
それとも...
朱玲
朱玲
黙れ、!
俺は言葉を遮る様に、拳を振るい足蹴りを繰り出した。
それなのに、目の前のこいつははずっとそれを避けるばかり。
朱玲
朱玲
なんなんですか...!
貴方、喧嘩する気があるのですか?!
奏夜
奏夜
えぇ、対話ケンカする気はありますよ
その為にここへ連れてきたのですから
あちらのステージではダメそうでしたので
朱玲が叫び声をあげる中で、奏夜の様子はいつもと何一つ変わらない。

そんな余裕そうな彼に、何時もの余裕すら見せられない自分に朱玲は苛立ちを募らす。
朱玲
朱玲
ッ、ふざけ
奏夜
奏夜
ふざけてるのは貴方でしょう?
ハナからやる気なんて無い癖に
朱玲
朱玲
んな事っ
奏夜
奏夜
高架下で会った時も、試合を見てる時も
奏夜
奏夜
貴方の目は、怒と哀を孕んでいました
奏夜
奏夜
気持ちもここにあらず、拳もブレブレですし
朱玲
朱玲
奏夜
奏夜
貴方...
---
桜遥
お前...

「「何がしてぇんだよ/たいんですか?」」


とがさんも、とみさんも、すごく優しい人だと思う。


仕事だ仕事だと言って、お金だけ振り込むばかりで中々帰って来ない両親。
親に見限られたと嘲笑ってくるクラスメイト。

そんな状態が為に、俺は何時も独りだった。

でも別にこれが普通だと思っていたし、苦ではないと思っていた。



...そんなある時、横を素通りしただけで金をスられたとか言い出した不良に絡まれて、
対処してたものの攻撃を受けそうになった時。
MOB
オラァ!!
朱玲(昔)
ッ!(しまっ)
バコーンッ!!
MOB
カハッ!?
朱玲(昔)
...え、
―――
ふぅ...あ、ねぇねぇ!
俺を、助けてくれたのが
兎耳山丁子
君、大丈夫だった?
十亀条
取り敢えず俺達もぉ、制圧手伝うよぉ?

とみさんと、とがさんだった。


二人は、俺にとっての太陽だった。
兎耳山丁子
しゅーちゃん!早く早く!!( *´꒳`* )
十亀条
ちょーじ落ち着いて...
ふふ、行こう?朱玲
独りだった俺を、獅子頭連に勧誘して、傍に居てくれた。

とがさんは、太陽はとみさんだと言っていたけれど
俺からしてみれば、二人で一つの太陽で。

そんな二人が放つ陽の光の中に俺を入れてくれた事が、堪らなく嬉しくて。
朱玲(昔)
(お二人を、傍で支えたい
幸せに、笑っていて欲しい)
そういう気持ちが強くなって。
お二人が頭取、副頭取になったら、このチームは必ず良くなる。
だからそこまで、サポートしよう。

そして
朱玲(昔)
はい、今行きますね
その姿を、一番近くで見れたなら...そう思っていた


けれど



ザァァァァ...

ガラガラピッシャーン!
「弱いヤツは...」
兎耳山丁子
獅子頭連には、要らない
兎耳山丁子
そうだよね...亀ちゃん

「皮を剥ぐのも、俺がやる。だからちょーじは...」
十亀条
みんなと笑っててよぉ

目を疑った。

夢かと思った。

止めに入らなきゃ、っとも思った。

なのに

近くに居たのに、拒絶されるのが怖くて、

また一人になる事が怖くって、



...太陽が闇に覆われるのを、見てるしか出来なかった。


”俺は逃げたんだ”

朱玲
朱玲
はい、お前...もう獅子頭連には
いりませんから、お疲れ様でした

だから、せめてもと、お二人がこれ以上闇に隠れないように、俺が代わりを請け負った。

悠々とした態度を取り繕った。

とがさんより早く皮剥をやって、

情報伝達も、できる限り俺がやった


少しでも、優しいとがさんの負担を減らそうとした。

とがさんは、その時少し眉を顰めていたけれど、そんなの関係ない

とみさんが気を負うことがないように、悪い役は請け負うようにした。

それに、とみさん何も思っていない様子だった、けどそれでいい

何時か、

何時か、...闇が払われる事を願って。

俺は動いていた
そんな時、偶々見かけた、防風鈴との火種になりうる事件。

そしたらとみさんが食い付いて、俺を引っ張って行って、案の定タイマンすることになって。

嗚呼、これは何かを変えられるチャンスだと思ったのに


獅子頭連は、変わってしまっていた。

力を追い求め、真っ直ぐ進むチームじゃなくなってた。

でも、もう止まれない。

タガが外れた猛獣の様に、もう後先考えていられない


あの日逃げた俺には、もうこの選択肢しかない


今の獅子頭連を、前に進ませる以外の、方法なんて
朱玲
朱玲
(何がしたいか...か)
は、はは...そんなのも
俺にも分かりませんよ...
自傷的な笑い声を上げながら、朱玲は片手で片方の顔を覆った。
奏夜
奏夜
...なら、まずは間違いを指摘してみては?
朱玲
朱玲
...は?
突然の奏夜からの提案に、朱玲は少しだけ驚く
奏夜
奏夜
補佐になる程の貴方なら、
気が付いてたでしょう?
いくら皮剥をやっても、
あのチームは強くならない
それ所が、壊れる一方ですよ
朱玲
朱玲
...ッ、貴方には、分からないんですよ

「大切な人を失いそうにな時の気持ちなんて...」


そう呟いた瞬間、朱玲は奏夜に胸ぐらを掴まれていた
動揺し、けれど出来うる限りの抵抗を見せる彼を射抜く深紅の目は、怒りを孕んでいて。
奏夜
奏夜
「失いそうになる気持ち」?そんなの知りませんよ
朱玲
朱玲
ならッ、
奏夜
奏夜
ですが...これだけは言えます
朱玲の服を掴む奏夜の手は、手が白くなる程強く握り締める
奏夜
奏夜
失いそうだと思うなら手を離すな!
手が痛くなるくらい強く握ってろ!
朱玲
朱玲
...でも、
奏夜
奏夜
間違いを指摘して壊れる様な、
そんな脆い関係なのか?
それを指摘せず、このチームが
壊れて行くのを貴方は唯見てるのか?
嫌ならしがみついてでも声を上げろ!
悠々しい態度など、そこには微塵も感じられなかった。

朱玲の目に映ったのは、怒り、何処か悲しそうに声を荒らげる奏夜の姿のみ。
朱玲
朱玲
奏夜
奏夜
このまま目を逸らしてるなら
近いうちに失う事になるぞ!
声を上げられるなら叫べ!
手が届くなら、掴んで離すんじゃねぇ!!
ドカァン!
朱玲
朱玲
グフッ...!?
ズザァァァ...
叫んだ奏夜は、朱玲の腹を思いっ切り蹴り上げ吹き飛ばした。
朱玲
朱玲
ヒュ、ヒュ、はぁ、はぁ...あは、あははっ!

地面に転がされた朱玲は息を少し整えつつ、楽しそうに笑い出す。

そして、スっと立ち上がると...


一瞬にして距離を詰め、奏夜に膝蹴りを当てた。
奏夜
奏夜
ケホッ...ふふ、やっと...ですか?
朱玲
朱玲
えぇ、お見苦しい姿を
見せてしまいすみません
ここから先は...


朱玲
朱玲
とことんやりましょう、奏夜さん
―――
十亀条
とことんやろう、桜
ブオンッ、ガシッ、ドカッ、!!


力一杯拳を振るって、足で蹴り上げた。
それに応えるように、奏夜さんも力を振るってくる。

その顔には、少しの笑みが見えた。
朱玲
朱玲
そんなものですか!貴方の力は!?
奏夜
奏夜
そちらこそ!
もっと振るって吐き出せ!
朱玲
朱玲
望む所だですよ!

...心地良い、向き合って、向き合い合う。
それが成立しているこの時間が

嗚呼、そうか


―――――――――

ザァァァァ...

パシャン、パシャン、
朱玲(昔)
『待って下さい!
こんなの間違ってますよ!』
兎耳山丁子
『え、しゅーちゃ』
朱玲(昔)
『何かあるなら話して下さい!
俺は、お二人にそんな顔して欲しくありません!』
―――――――――
あの時も、こんな感じにしなきゃダメだったんだ。
殴られても、怒られても、向き合って、手を掴んで、声を上げれば良かったんだ。



そう思う朱玲本人も、奏夜と同じく明るい笑顔を浮かべていた。

スターンッ!
バコッ、バコンッ!

汗がパラパラト落ちていく、二人共、鼻から、額から、血も流している。

でもその顔は、幸せそうだった。

バーンッ!!
奏夜
奏夜
はぁ、ふぅ、...
朱玲
朱玲
はぁ、はぁ...んふ、あははっ
ドサッ、
朱玲
朱玲
あー、心地良い...
奏夜
奏夜
ふふ、同感ですね
吹っ切れた貴方とのケンカは
こんなにも楽しいです
朱玲
朱玲
それは光栄ですね...
はぁ、...俺、ここでギブです
満足気に言いながら、倒れていた身体をムクっと起こし、立ち上がる。

そして鼻血を手で拭った後、頭を下げた
朱玲
朱玲
負けました、そして...
色々と思い出させてくれて
ありがとうございました

朱玲VS奏夜



勝者...奏夜
試合を終え、奏夜と朱玲が会場へ戻る。


すると丁度よく、あちらもこちらも決着が着いた様だった。
桜遥
ッは...お前...
十亀条
あー、もう立てなぁい......
降参という様に、地面に背を付けたまま手を振る十亀の顔は
十亀条
ギブアップ〜
何かが吹っ切れた様な、幸せそうなものだった

十亀VS桜




勝者...桜遥
兎耳山丁子
......
◇To be continued◇

投稿ペース遅くてすみません!
あとお気に入り登録50突破ありがとうございます!!

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