第4話

選ばれし刃、揺れる心
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2025/09/21 13:00 更新
霧の裂け目を抜けたあなたの下の名前たちがたどり着いたのは、深い山の中だった。
木々の間に漂うのは、鋭く鉄臭い「血」の匂い。
不破湊
……これ、まさか…鬼滅の刃……?
不破が警戒を強めた直後、地面をえぐるような音とともに、鬼が飛び出す。
間一髪で剣持が反応し刀を抜いたが、鬼は尋常ではない速さだ。
だが次の瞬間ー
甲斐田晴
下がって!!
夜を切り裂くような叫び声とともに、鋭い斬撃が鬼の胴を一閃する。
その刃を持つものこそが、甲斐田晴。
隊服に身を包み、額には血が滲んでいる。
鬼は断末魔のような悲鳴を上げ、血をまき散らしながら崩れ落ちた。
それを無言で見下ろした彼は、血に染まった日輪刀を軽く振り、血を振り払う。
甲斐田晴
……大丈夫?怪我はない?
相変わらずの、落ち着いた声。
その眼差しは鋭く、迷いのない"剣士"のそれだったが、言葉には優しさが滲んでいた。
不破湊
甲斐田……!お前、無事だったのか!
剣持も駆け寄ろうとするが、甲斐田は首を傾げた。
甲斐田晴
えっと……ごめん。どこかで会ったこと、あったっけ?
その場にいる全員が、固まった。
不破湊
……ぇ……マジかよ、記憶、ないのか……?
あなた
甲斐田さん……私たちのこと、覚えてないんですか?
その言葉に、甲斐田の眉がかすかに動いた。
甲斐田晴
……君たちと会うのは初めてだよ。僕は鬼殺隊の一員。名は甲斐田晴。……でも、なんだろう、どこか…懐かしいような気もする。
不破湊
……ってことは、"この世界の役割"が強くなりすぎてんのか。
あなたの下の名前はゆっくりと歩み寄ると、血に染まった隊服の甲斐田の前で足を止めた。
あなた
甲斐田さん、お願い。思い出して。あなた、私たちと配信してたでしょ?私たちと、同じ時間を過ごしてた。コラボも、雑談も、くだらない話も全部ーー
甲斐田の瞳が一瞬、揺れる。
その時。
「ギィィィイイアアア!!!」
森の奥から、また新たな鬼が飛び出してきた。
鋭い爪があなたの下の名前を狙って振り下ろされる。
あなた
ーっ!
だが、その刹那。
甲斐田の体が、風のように動いた。
まるで"反射"のように、彼はあなたの下の名前の前に立ち、鬼の爪を受け止め、瞬時に首を狙って斬り下ろす。
ズン、と重い音とともに、鬼の首が転がった。
あなた
……っ、ありがとう……!
その声を聞いた瞬間。
甲斐田の頭の中で、"何か"が弾けた。
ーありがとう、甲斐田さん!
ーやっぱり甲斐田さんがいないと落ち着かないね〜!
甲斐田晴
……っ、……あ……
まるで頭を強く打ったように、膝をつく。
不破湊
え、何!?甲斐田!?おい、大丈夫か!?
剣持刀也
甲斐田くん!
甲斐田は息を荒げながら、震える手で額を押さえた。
甲斐田晴
…僕は……鬼を斬る剣士で……それが、僕の……
あなた
全部、嘘じゃないんですよ。ここで生きてきたことも、戦ってきたことも。でも、それだけじゃない。あなたには戻る場所がある。
甲斐田の目に、光が戻っていく。
忘れていた感覚、失われた記憶、仲間たちの声、そのすべてが、胸を貫くように流れ込んでくる。
甲斐田晴
……思い出した。僕はー甲斐田晴。にじさんじのライバーで、桜魔皇国の研究者だ。
静かなその言葉に、不破と剣持がふっと笑う。
不破湊
よっしゃ、帰還ミッション完了ってわけやな?
剣持刀也
……でも、これからが本番だろ。残りのライバー、あと3人。次の世界に、行くんだよな?
あなたの下の名前は、頷いた。
そして、またもや霧の中に光る"転移の裂け目"を見つめた。
甲斐田晴
僕も行くよ。元の世界に帰りたいし。
不破湊
頼りにしてるぜ、"鬼殺隊のエース"
甲斐田晴
……うるさい。アニキもバレー部員のくせに
笑いながら、4人は光の中へと歩みだす。次の世界が、開かれる。

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