第3話

混沌の世界へ
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2025/09/21 00:00 更新
黒い霧が立ち込める夜の街。
綾瀬桃は身構え、こちらに向かってくる怪物を睨みつけていた。
綾瀬桃
来るよ!
高倉健と白鳥愛羅も身構え、周囲の影を警戒している。
剣持刀也
ここは……?
剣持刀也は戸惑いながらも身構える桃たちの姿を見て、すぐに状況を悟る。
剣持刀也
君たちは……こいつらと戦ってるのか?
すると桃は呆れたような顔をして剣持を見た。
綾瀬桃
……はぁ!?アンタさっきまでウチらと一緒に戦ってたじゃん!それ今更聞く!?
剣持は慌てて頭を掻きながら、
剣持刀也
え、いや、その…混乱してて……ごめん!
その瞬間、怪物の咆哮が辺りに響き渡り、剣持も背中の鞘から刀を抜いて戦闘態勢に入った。
桃は軽くため息をつきながら言った。
綾瀬桃
もう気を引き締めて行くわよ。
剣持は覚悟を決め、仲間に加わる。
怪物との激しい戦いを終え、剣持は一息ついていた。
そのとき、不意に視界の端に動く影が見えた。
剣持刀也
えっ、ふわっち!?
剣持は驚きの声を上げる。
そこに現れたのは、不破湊だった。
不破湊
もちさん!マジで無事で良かった…!
あなた
ちょっと待って、不破さん足早すぎ!
不破湊
そりゃーさっきまでバレー部員だった男だし。
剣持刀也
もしかしてふわっちとあなたの下の名前もこの世界に?
不破湊
あ、いや、実は…
そのとき、桃とオカルンと愛羅が駆け寄ってくる。
綾瀬桃
あれ?ねぇ刀也、その人たち誰?
オカルン(高倉健)
自分には急に現れたように見えました!
綾瀬桃
え、じゃあこいつらも敵!?
3人は戦闘態勢に入る。
不破湊
怪しい者たちじゃないって、マジで!俺たちは"元の世界"に戻るためにーー
白鳥愛羅
"元の世界"?
アイラが鋭い視線を向ける。
白鳥愛羅
まさか……剣持くんを連れ去ろうとしてらっしゃるの?
そこにあなたの下の名前が静かに前に出た。
足音も立てずに歩み出た彼女に、全員の視線が集まった。
あなた
剣持さんは、私の仲間だよ
短く、そして力強く。
あなた
私たちはまだ"置き去りにされた仲間"を探してる。
あなた
だから、私たちは先に進む必要がある。
あなたの下の名前は霧の中に浮かぶ次の"転移の裂け目"を見ながら続ける。
あなた
剣持さんを救ってくれてありがとう。………私たちにはまだ終わってない話がある。
桃が一歩前に出て、まっすぐにあなたの下の名前を見る。
綾瀬桃
私はさ、正体もわからない奴にそんな事言われても嘘にしか聞こえないわけ。
綾瀬桃
それに刀也は大事な友達で、戦力なんだよ。刀也がいなくなったら、私たちだって助かるかわからない。
あなた
わかってる。でもーー
あなたの下の名前は、一瞬だけ寂しげな笑みを浮かべて言った。
あなた
全部を救えるほど私たちは万能じゃない。だからまず、"自分の仲間"を助けたい。
一拍置いて、剣持も続いた。
剣持刀也
この世界の人間として生きていた僕にとって……それは裏切りに近いことかもしれない。でも、それでも僕は、元の仲間を見捨てたくない。
不破が頭の後ろで手を組んで、笑って言う。
不破湊
ま、ごちゃごちゃ考えるのはお前らに任せるわ。俺は行くよ。みんなを迎えに。
オカルン(高倉健)
でも…!
綾瀬桃
いいじゃんオカルン。刀也が行きたいと思ってるなら、行かせてあげようよ。
あなたの下の名前は背中を向け、霧の中へと一歩踏み出す。
剣持、不破もその後を追う。
綾瀬桃
バイバイ、刀也。
桃、オカルン、愛羅
またね
剣持刀也
……うん、また
光がきらめき、3人の姿が霧の中に溶けていく。
白鳥愛羅
……行っちゃったね
愛羅の呟きが、夜の闇に消えていった。

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