地球で大災害が起きてから
「地球退去計画」が発足されたが
始め、彼女たち学生は特に影響を受けなかった。
順に移住先へ移るのだが、基本的には大人から。
政府の人間の半分ほどが移り、
その後第一次産業、第二次産業に携わっている
大人たちが移住していた。
それである程度経ち
生活水準が現在とさほど変わらないぐらいになった時
やっと子供達も移住し始めた。
だがその頃には
地球上での災害の頻度が明らかに高くなっていた。
それは彼女にとっても
他人事ではなかった。
友人に声をかけられる。
高校2年生だった彼女が所属しているのは演劇部。
たくさんのキーホルダーのついたスクールバッグを
机の横から取り、肩にかける。
なんて他愛のない会話をする。
演劇部以外の人からすればきっと
暗号に聞こえてもおかしくないような会話。
それを交わすのはなんとも
心の奥にくすぐったさを感じる。
ぺしょっと小さくなる友人は
あなたの名字にとって掛け替えのない存在だった。
部活も同じで帰る方面も一緒。
ただ電車の路線は途中で変わる。
それまでの7駅を一緒に話しながら帰る。
今日の部活楽しかったとか
今日の先輩は素敵だったとか
昼練があるからお昼はどうしようだとか
そういう会話をすると
学生らしさを実感する。
そんな大切な日々を紡いでいた、
ある日のことだった。
その日はたまたま部活がなくて
試験が近いこともあり
彼女たち自身の教室で
机を向かい合わせて勉強をしていた。
学生たちもどんどん移住を始めていった。
だから周囲のクラスメートも
日に日に少なくなっていっていた。
そう会話していたその時
少し遠くから轟音が鳴り響いた。
遠いはずなのに近い。
それもそのはず、その音は
遠くからこちら側へと確かに移動してきていた。
友人がそう言った時には
もう遅かった。
力強い衝撃が彼女たちの体を打ちつける。
かと思ったら今度は壁が崩壊し始め、
床に倒れてしまっている彼女たちの上へと
落ちていった。
必死に叫んだ友人の名前は
もう覚えていない。
下を向きながら話す彼女に
耳を傾けていた8人。
それぞれ真剣な顔で色々な事を考えている。
何か考えついた者もいるだろう。
だが、この沈黙の空気を壊すのは
少しハードルが高かった。
全員の目線が佐伯へ向かう。
待っていたと言わんばかりに期待に満ちた目だった。
全員が頭を悩ませた。
どうしたらいいのだろうか。
あなたの名字を運んだ人間も気になるが
それ以前にあなたの名字の事も気になった。
そう言った緋八だが、
その他7人のヒーローたちにアイコンタクトを取った。
「少し話したいことがある」
星導が突拍子もなくそう言うと、
全員から白い目が浴びせられた。
またしても沈黙。
そう言ってあなたの名字に目を合わせる星導。
前に立つ星導はあなたの名字からすれば
非常に高く壁のようだった。
身長差があるということは
歩幅の差もあるわけであり
歩くスピードは彼女の普段よりも
明らかに早かった。
教室の扉まで歩いた時
くるりと振り返って他の7人に挨拶をする。
その後すぐにまた前を向いて
先に進んでいる星導のあとを早足で追った。
約1700字です。
たくさんの♡、★ありがとうございます。
(コメントもありがとうございます)
こんなに早くたくさんの方に見ていただけると思っておらず
大変嬉しいです。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。