第62話

#55
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2024/05/20 09:00 更新



鷹見啓悟
鷹見啓悟
ちょっと早かったねー


 事務所を出て、駅のホームで新幹線を待つ。


 「 送ってくよ 」と言って けーごも着いてきたので

 今は、私と常闇、けーごの3人だ。




常闇踏陰
常闇踏陰
不死時、何かあったのか?
落ち着きがないように見えるが…
あなた
い、いやぁ…?
新幹線早く来ないかな…って


 常闇にそう言われて、心臓が飛び跳ねた。



 でも確かに、職場体験はもう終わったというのに

 今が1番ソワソワしている。


 それは紛れもなく、

 "帰ったら好きと伝える"

 という最重要任務があるからだ。



 思い返せば、何故すぐに

 "好き"と伝えられなかったのか、

 その理由は、前からずっと不安だったこと。








   ___"大切"になればなるほど、

      失った時、自分が辛いから。___






あなた
( …あの日から私は何も変わってない )


 けーごを殺された あの日。


 公安に拾われていなければ、

 この人けーごが"大切"になっていなければ…

 こんなに苦しくならなかったんじゃないかと。


 あの日、そんなことを永遠に考えていた。





鷹見啓悟
鷹見啓悟
あなたの下の名前?





 ___…でも、得るモノは苦しみだけじゃない。



 それ以上に 幸せで「 よかった 」と思えるモノが

 数えきれないほど あることを


 キミが教えてくれたから。









あなた
…あのね、けーご



 この続きを伝えるために

 ただ、気持ちを落ち着かせるために

 目を瞑って、深く息を吸った。


 
あなた
私も…けーごのことが___


 ゆっくりと目を開けると、


 そこはいつも通りの世界で、

 人の声、足音、電車の音がする騒がしい駅のホーム。


 けーごの声も、仕草も変わらない___…









        "いつも通りの世界"




 そこで帰りまで待てない私は、

 けーごに告白の返事をする。














あなた
……違う…何、こ、、れ




 ___はずだった。


 目に映る世界に言葉が出なかった。



 人の声、足音、電車の音…

 何もかもが聞こえない。


 それどころか、

 私以外、誰一人として動いていない。




 ___…まるで、私が時間を止めた時のように。









???
あれ、君も止めたはずなんだけど…
まぁいっか。


 息が上手く肺に送れない。

 体中から汗が止まらない。



 私の目に映っているのは

 けーごを殺したあの女が銃を撃つ直前で、


 その先にいたのは、静止した けーご。



 動かなきゃ、私にしか救えないのに、

 声も、足も、震えてしかいない。



???
…結局、君は何もできずに
"大切"を失うんだよ
???
でも誰かに"大切"を壊される…
そんなの嫌でしょ?


 嫌に決まってる。


 貴方に殺されるから、私は死に戻ってるんだ。




???
じゃあもうさ、


 女の持つ銃に手を握らせられ

 けーごの胸に女はそのまま銃を突きつけた。






???
いっそのこと、
自分で殺しちゃえばいいじゃん


あなた
ぇ、___












           バンッ___…



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