ある日、お社のすぐ側に真っ白な狐を見た。
真っ白、と断言するには血に濡れていて、泥や枯葉が体にまとわりついているが…
ただ私はそれを、真っ白。と思うことにした。
お社の中は比較的家というものよりは狭く、小さい。
けれど中では自分なりに布団を用意したり、山で子供になにかあった時のために人間のための塗り薬などを置いていた。
それを動物に使って良いのか、私は軽く頭を捻ったけれど…使った!!!!!!!
だってどうもこうもいかないし!!!!!!!!
呑気に笑いながら、その狐との日々は過ぎていった。
どうやら最初に会った時に見た傷や血は、他の山でのものらしい。
狐のからだからでてきた弾丸や石の破片は、ここら辺でよく見るものとは違っていた。
狐を狩る、そういう仕事をする人間もいるものだ。
今は、そういう時代らしかった。
戯れなのか、なにかの本能なのか。
その狐はよく私の顔に鼻を押し付けるようになった。
匂いを嗅いでいるのかな?なんて呑気に物を考えたけれど、そんなことないんだと、すぐ未来でそれを知った。
狐と過ごし始めてしばらく経った時、そういえば麓に行っていないと思い出して狐を連れて行った。
傷はもう治っていたし、麓のあの人なら狐を狩るようなマネはしないだろう。
狐はなんだか私の腕の中でモゾモゾと体を動かし、地面におりたってこちらを見あげた。
あ、ちがうみたい。
わたしがそれまで考えていたような狐ではなくて…
あれ…そういえばわたしが守るお社の神様って……











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!