あなたside
トントン、と誰かに肩を叩かれて我に返る
いつの間にか眠っていたみたいで、補助監督さんが起こしてくれたようだ。
窓の外には、もうだいぶ見慣れた高専の入口。
ありがとうございます、と挨拶をして
寝起きでフラフラの体を叩き起しながら中へと入る。
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教室に入ると2人がいて、モップやら箒やらを持って立っていた。
みんな優しい……
学校での掃除なんてろくな思い出ないからな、………
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部屋でシャワーを浴びてから布団に潜る
何となくスマホを開くと、先生からメッセージが入っていた
“ごめん、思ったよりめんどくさい任務になった
お土産買えないかも”
なんだ、お土産か
全然いいのに、そんなこと。
“全然大丈夫だよ
任務頑張ってね。”
ここで早く会いたい、なんて送ったらどんな返事が来るのだろうか。
ただ迷惑と思われる?
それとも喜んでくれる?
うーーーーーーーん、送らない方がいいかな、
でも、……………………
…………………
気づけばまた、眠りについていた。
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五条side
任務と任務の間の移動時間
あなたから返信が来てアプリを開くと、
いきなり電話がかかってくる。
え、返事ないよ?
てか寝てる?え???
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!