第13話

9
84
2025/07/25 08:39 更新
























森鴎外
これが蘭堂君の集めた一連の資料だ



森は封筒を中也のほうに掲げて見せた。



森鴎外
他にも色々と興味深いことが書かれている


中原中也
そこに………真相が



中也は無意識に手を伸ばした。


中原中也
荒覇吐アラハバキの、俺の正体が……




しかし、中也が封筒に触れる寸前、森はすっとふうとを引いて中也から遠ざけた。



中也が疑問の表情で森を見た。


森鴎外
悪いが、これは組織の裏切り者が隠し持っていた資料だ



森は普段と変わらない笑顔を中也に向けて云った。


森鴎外
本来は焼き捨てるべき代物だ。故にそう簡単には開示できない。これを閲覧できるのは、組織でも幹部級以上の人間に限られる



中也は身じろぎせず、静かに森を見つめた。


短く、凝縮された数秒間が、二人の間に音なく流れた。



中原中也
成果を挙げて幹部にならなきゃ、その資料は見られない……か



中也は云った。


中原中也
俺の裏切りを心配して、その予防策を打ったって事か ?


森鴎外
そんな心配はしてないよ



森は教師のように微笑んだ。


森鴎外
心配すべきなのは君のほうだ


中原中也
何 ?


森鴎外
太宰君の心配だよ。君達二人はどちらも飛び抜けて優秀で、あなたちゃんはまだ判らないが……、かつてその実力はほぼ同等だと私は見ている。だが首領の部下として仕事にあたる太宰君のほうが、幹部になるのはほんの少し早いだろう。
森鴎外
もし彼のほうが先にこの資料を閲覧する権限を得たら、どうすると思う ? 君に貸しを作るため、資料を暗記してから焼き捨てると思わないかい ?



中也の顔色がさっと白くなった。


もしそんな事になれば ____ 太宰から資料の情報を引き出すため、どれだけ地獄の苦労を味わわなければなくなるか、一瞬で予想がついたのだ。


森鴎外
_金剛石_ダイヤ は 金剛石ダイヤでしか磨けない



森は満足げに微笑んで云った。


森鴎外
君達が切磋琢磨せっさたくまして貢献してくれれば、組織は安泰だ。暴力と恐怖、殺戮に頼らずとも先代を超えられる。私はそれを証明したい


中也は言葉にならない思いで、その台詞を聞いていた。


中原中也
俺は


絞り出すような少年の声で、中也は云った。

まだ痛む背中の傷に、そっと手をやりながら。

中原中也
俺は羊のリーダーだった。だが俺が仲間に与えられたのは、依存とその裏返しの不安だけだった。あんたの組織に入って、あんたの命令に従う事に、今はそれほど不満はねえ。だがひとつ教えてくれ。組織のおさとは何だ ?



少年の真剣な眼差しに、森は笑みをふっと消した。


目を閉じ、開いた。そして誰にも見せたことがないような、純粋な目で云った。



森鴎外
長というのは、組織の頂点であると同時に組織全体の奴隷だ。組織の存続と利益のためなら、凡百汚穢あらゆるおわいに喜んで身を浸す。部下を育て、最適な位置に配置し、必要であれば使い捨てる。それが組織のためになるならば、私はどんな非道も喜んだ行う。それが長だ。すべては



森は視線を横にずらし、窓の外に広がる雑多な街並みを眺めた。



森鴎外
すへては組織と、この愛すべき街を守るために



中也は、透明な瞳でその台詞を聞いていた。今生まれてきたばかりとでもいうような無垢な表情を浮かべながら。


中原中也
それが……俺に足りなかったもの


中也は身をひるがえし、片膝をついてこうべを垂れた。

そして凛々しく尖った将兵の声で云った。


中原中也
なればこの血潮、すべてを御見おんみのために捧げます、首領ボス。貴方が奴隷となって支えるこの組織を守り、貴方の奴隷となって敵を砕く。そして敵に思い知らせましょう。ポートマフィアをなみする者が、どれほど苛烈な重力で潰されるのかを



膝をつき頭を下げて最敬礼をする少年の姿を、森は黙って見ていた。


その表情には、今までのどんな笑みとも違う笑みが____ 謎めいてもいなければそこ知れなくもない、人間が嬉しい時に浮かべるごく普通の笑みが _____ 浮かんでいた。




そして一言、


森鴎外
期待しているよ


とだけ云った。


































📢 もうすぐ 2000人 …… ✨







雑談話でも ………















本日、家にカマキリが出ました !! 🎉 ( ヒユー



親が大のカマキリ嫌いで、カマキリがいなくなるまで家に帰ってこないという事態が起きまして …… 最終的には出したんですけど !! まあ …… 大変でした !! 絵の上に乗ったり、エアコンの横の小さい隙間に入ったりして……ヒヤヒヤさせられました !! これだけです

また次までお待ちくださいね !!















プリ小説オーディオドラマ