佐藤「しかし色々あり過ぎたなぁ〜。」
常闇「一生忘れられない夏……。」
寮に帰り、皆で団欒。
私がトイレから戻った時も仮免についての話で盛り上がっていて、余韻に浸ってるなぁとしみじみ思う。
いずくんは少し離れたところで携帯を触っていて、話しかけようと視線を向けると向こうから爆豪くんが歩いてきていた。
いずくんに話しかけようとしているのは分かったので、邪魔しまいと隣を通り過ぎる。
爆豪「お"い。後で表出ろ。」
え、なぜ喧嘩腰。
いずくんしめられちゃう?
心配になって耳を傾けると、爆豪くんはすれ違い際声を潜めた。
爆豪「...めェ.....個性...........しだ。」
緑谷「……!…………か……っちゃん、」
微かに聞こえた内容に思考を巡らせる。
聞き取れたのは、"個性"というワードだけ。
いずくんの個性の話……かな?
芦戸「っあー!あなたっ、あのさどこの高校か忘れたんだけどさ、イケメンだったよね!」
あなた「?誰の話??」
葉隠「ほら、結果の紙配られた後あなたちゃんに声かけてた人!あれってやっぱりナンパ!?」
あなた「ああ、あれは違うよ〜。なんか雄英の女の子可愛いから、今度皆でお茶しないかって。私じゃないないっ。」
芦戸「いいや違うね!それはもうあなた目当ての合コン開きたいだけだよ!!!心配するな轟!!絶対あなたは連れて行かないから!!」
轟「何も言ってねェ。というか俺もう寝る。…………あなた、ちょっといいか。」
あなた「え?あ、うん。」
ソファーから立ち上がった轟くんが私に目配せするので、私も今日は寝る事にした。
なぜか三奈ちゃん達からヒューヒューと口笛を吹かれたけど、よく分からないので「おやすみ」と返して轟くんについて行く。
エレベーターの手前の中庭に出て、轟くんが話出すのを待った。
轟「……すまねぇ。」
あなた「、?何が……?」
轟「二次の時、迷惑かけちまった。あんなことしてる場合じゃねぇのに……。」
あぁ……イナサくんとのあれ、気にして……。
あなた「ううん、私は何も……。というか、私が荒立ってたのは多分攻撃喰らいそうになってたのが真堂くんだったからで、」
轟「……あと、ソイツの事だけど。」
あなた「ん?真堂くん??」
いい人だったな、うん。
轟くんは申し訳なさそうな顔から一転、なぜか怒っている顔になって、私に数歩近づいた。
今日の真堂くんのように、限りなく私に顔を近付ける。
轟「なんで言葉伝えるだけでキスされてんだ。」
あなた「っえ、/……ぁ、あれはその、」
頬に触れた感触を思い出して、急に恥ずかしくなった。
そういえばなんで真堂くんはあんな事……?
轟「無性にムカついた。お前強いんだからあのくらい避けれただろ。」
あなた「いや、そゆ問題じゃないでしょ……。」
轟「"そういう問題"だ。」
あなた「よ、避ける場面じゃなかったし、」
轟「……じゃあこれも、避ける場面じゃねぇからな。」
あなた「え__________、?」
頬に触れた手。
親指でグイッと、丁度真堂さんにキスされた所を拭うと新たに伝わってきた柔らかい感触。
チュ..
覆うように、被せるように。
そんな風に触れた唇の温もりに、肩がビクッと跳ね上がる。
あなた「〜っ、!!?////な"、なにしt_______」
轟「……上書き。もう誰にもされんなよ。」
あなた「「上書き」って……〜っ、////も、なんで変なとこで張り合うの!!」
おかしいよ……。
仮免の結果ならともかく、こんな所で他校のライバルと張り合っても意味ないでしょ。
なのに、轟くんは当然のことをしたまで、といった顔つきで部屋に戻っていってしまった。
あなた「…………読めない、読めなさすぎる、//」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。